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地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

長崎県

宿泊施設3社が連携し誘客システム構築―ウェブ上で「仮想旅館」

企業名 平戸観光ホテル 三類型 農林水産物、観光資源 地域資源名 ひらめ、いか等の水産品、農産品、長崎の教会群とキリスト教関連遺産、他

豊富な体験メニュー

豊富な観光資源(平戸オランダ商館)

豊富な観光資源(平戸オランダ商館)

 1609年に西洋との海外貿易港として開かれた長崎県平戸。その平戸市で大規模宿泊施設が連携して、インターネット上に「仮想旅館」を設けている。平戸観光ホテルをはじめ3社が共同運営する「平戸ATA(エリア・ツーリズム・エージェント)」事業だ。共通ウェブサイトでの予約の一本化や、地域と協力した漁業体験などオリジナルメニューを用意して観光客誘致に取り組んでいる。宿泊客が減少傾向にある中で、サービス向上と宿泊者数の増加を狙った取り組みだ。

 運営するのは事業代表の平戸観光ホテルと旗松亭、ニュー平戸海上ホテルの3社。いずれも平戸市で収容人数400―800人を誇る市内を代表する宿泊施設。各社相互に資本関係はなく、いわば競合関係のホテルが手を取り合った形だ。

 ATAは3社が独自に構想した仕組みで、2007年から構築事業をはじめて、10年3月に核となる共同予約サイト「平戸の湯」を開設した。3社共通の予約窓口で、宿泊や食事など利用者が旅行プランを組み立てることができる。
 特徴は漁師体験や塩づくり、平戸焼のランプシェード製作など体験プログラムを盛り込んだ独自ツアー。利用者は好みに応じて宿泊プランを直接予約でき、オプションとしても体験メニューを追加できる。一つの旅館に多くのコンテンツがあるようなシステムを目指した。

個人客の着地型観光へ転換目指す

漁業体験など様々な体験プログラムが選べる

漁業体験など様々な体験プログラムが選べる

 平戸市は観光地としては人気の土地だ。本土と平戸大橋で結ばれた平戸島を中心に、年間約120万人が陸路や海路で訪れる。陸続きで行くことができる日本最西端の土地だ。歴史的にオランダとの交流が深く、世界遺産暫定リストに載るキリスト教会や西洋風建築が多く残る。カステラやカスドースといった西洋風菓子も名物だ。また島ならではの風景や日本初の和牛とされる平戸牛、地元でアゴと呼ぶトビウオなど、特産物でも観光資源に恵まれている。

 平戸大橋が10年4月に無料化したこともあり、客数自体は伸びている。一方で交通利便性がよいため日帰り客が多く宿泊客数は漸減している。ATA事業を行う背景には、団体から個人へ移った観光スタイルの変化もある。かつてメーンの収入源だった企業旅行の減少や、修学旅行が他地域に流れているのだ。団体客ありきの集客から、海外を含めた個人客の集客へと方向性を切り替える必要があった。そのため通過型ではなく、長い滞在時間を過ごす着地型の観光メニューが求められている。

 課題解決に向けて「観光の振興に向けて無駄な競争はすべきではない」と田口満平戸観光ホテル社長は競合社に声をかけた。平戸市や平戸観光協会を含めた着地型観光の実証事業を行っていた経緯があり、構築に向けた連携はスムーズに進んだという。
 一方で正念場はサイトを立ち上げた今後にある。開設2年目には韓国のドメインを取得し、海外観光客を誘致するインバウンド獲得も狙っている。取り組み自体の面白さに加えて、いかにコンテンツを磨き、光らせることができるかにこれから期待がかかる。

平戸観光ホテル・田口満社長

平戸観光ホテル・田口満社長

【コメント】平戸観光ホテル・田口満社長
認知度向上が課題、韓国向けサイトも開設

A TA事業は完成品として素晴らしいものができた。だが利用者はまだ少なく、システムの活用方法を含めて考えていく必要がある。たとえば平戸のキリスト教会が世界遺産に認定されるなど、利用者増につながる起爆剤となる要素は多くある。現在海外向けサイトは韓国だけだが、平戸への観光客が多い台湾向けのサイトも将来は考えたい。さまざまなPRの場を通じてこれから認知を広げていく。平戸観光の大きなメニューのなかの一つとして、利用してもらいたい。

会社概要

会社名:株式会社平戸観光ホテル
住所:長崎県平戸市川内町55
業種:宿泊業
電話:0950-23-2111
URL:http://www.hotelranpu.com/
「平戸の湯」:http://www.hiradonoyu.com/