HOME > 事業を広げる > 地域資源活用チャンネル

地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

福島県

福島県産米を原材料にした無加糖ストレート甘酒の製造・販売

企業名 宝来屋本店 三類型 農林水産物 地域資源名

甘酒は冬だけのモノではない

350ml入りペットボトルに入った「冷やしあま酒」

350ml入りペットボトルに入った「冷やしあま酒」

 宝来屋本店は明治39年10月創業。100年を越す福島県郡山市の老舗麹業だ。商品はみそ、三五八漬けの床、甘酒などで年産は3億8500万円(09年8月期)。3代目の柳沼正人社長がこだわったのが甘酒。「昭和30年(55年)、5歳のころにおやじ(先代柳沼正雄社長)が甘酒をこたつで作っていた。試食が私で、水も良かったせいかおいしかった」との思い出がある。この思いが98年ごろからの売り上げ減への対応策として甘酒強化につながってきた。

 「小さいころにおやじから甘酒売りが『甘〜い、甘〜い』という声で街を流していたとの話を聞いていた」(柳沼社長)が、実際に古い文献で甘酒売りが江戸時代から流して売り歩いていたことを発見、さらに江戸時代には夏の健康回復にウナギと同様に甘酒が利用されていたことを知り、甘酒は冬だけのモノではないと新製品開発に乗り出した。

 砂糖離れの時代だけに砂糖ゼロの甘い甘酒は注目されて2人用の小袋がヒット、しかし飲みきれないで捨てられることもあったことから、6年前からそのまま飲めるストレート甘酒を発売して好評を得た。しかしながら時代は袋入りでは受け入れられなくなってきていると、ペットボトル入りも発売した。

 甘酒の糖度は36度。100グラム中に含まれるブドウ糖は26.4グラムあり、ペットボトルでは希釈して糖度18度にして飲みやすくしている。ブドウ糖の含有量を見ると「飲む点滴液ともいえるほどの栄養価があり、スポーツイベントなどにも適している。検証していないがオリゴ糖も含まれているようならばダイエット向きにもなる」(柳沼社長)ほどだ。

新工場の建設

甘酒の新工場内部。人の手に触れない環境ができている

甘酒の新工場内部。人の手に触れない環境ができている

 しかし、この間の苦労も並大抵ではない。甘酒作りは雑菌との戦い。古い工場には数多くの雑菌が存在し、すぐに甘酒が酸っぱくなる。検査をして出荷しても流通過程で変化することもあり、「日曜日の(抗議の)電話が怖かった」(柳沼社長)。最大の失敗は540グラム入りを1万袋捨てたこともあったという。このときは、約束は守れない、信用は落とす、と散々だった。

 問題解決したのは新工場建設してから。人間が手を触れないで生産できる体制を確立し雑菌をシャットアウトできるようにした。06年に完成。総工費は年商を超える4億2000万円に達した。

 09年8月期の同社の売上高は3億8500万円で、このうち甘酒の売上高は1億3000万円となり全体の3分の1を占める。ペットボトルは350ミリリットル入りで、360円。夏場の6−8月で1万2000本を売り切った。それでも工場の稼働率はまだ40%で、季節はずれの時期は週1回の稼働だ。

 今後は甘酒の新開発からさらに新製品の開発も期待でき、来年度は売上高10%増を見込めるまでになった。

【コメント】宝来屋本店・柳沼正人社長
日本の発酵文化を知ってもらいたい

宝来屋本店・柳沼正人社長

宝来屋本店・柳沼正人社長

 福島県産の米にこだわり75%まで精米して使用し、郡山の水を使って米本来の甘さを引き出している。これをペットボトルにして初めて常温流通で世に出した。5年以上過ぎても他社が追随しないのだから難しい技術だということが分かってもらえると思う。
甘酒は主成分のブドウ糖が脳の栄養になることが知られており、飲む点滴液ともいわれるくらいなので、ぜひ利用してほしい。今後はスポーツイベントのドリンクとして使われるように働きかけたい。また、日本の発酵文化を知ってもらうためにも、海外展開を考えたい。さらに新製品として試作段階のモノもあり、これは飲みやすく栄養価も高い飲料として発売できると考えている。

会社概要

会社名:株式会社宝来屋本店
住所:福島県郡山市田村町金屋字川久保54の2
業種:麹業
電話:024-943-2380
URL:http://www.e-horaiya.com/