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地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

佐賀県

人間工学に基づく、人にやさしい椅子づくり

企業名 平田椅子製作所 三類型 鉱工業品・技術 地域資源名 諸富家具・建具

低価格家具との差別化

「人にやさしい椅子」

「人にやさしい椅子」

 佐賀市諸富町は佐賀を代表する家具産地。筑後川を挟んで隣接する全国有数の家具産地、福岡県大川市とゆかりが深く、両町はともに発展してきた。平田椅子製作所は、いすに特化した家具メーカーとして「高品質で高付加価値のいすづくり」(平田尚士社長)を進める企業だ。2005年に人間工学研究に基づいた「人にやさしい椅子」の開発に着手。座り心地を追求し、佐賀大学医学部と共同で製品開発を行った。老人ホームや福祉施設でのモニタリングを経て、09年に発売した。価格は10万5000円と安価ではないが、軽度の要介護者など病院での利用に加え、腰痛に苦しむ人の自宅での需要も見込んでいる。

 諸富地区の家具の歴史は大川から始まった。室町時代から箱などの指し物を生産していた大川地区は、戦後の高度経済成長とともに爆発的成長を遂げ、全国的な家具産地となる。60年代半ばに諸富地区との間に橋がかかり、家具メーカーが県を越え事業拡張する。その後も成長を続けたが、90年代初頭をピークに生産高・生産者数ともに減少の一途をたどる。原因はバブル崩壊とともに、東南アジアを中心とした低価格の海外製品が流通し始めたことだ。

 平田社長は海外の低価格家具と差別化を図るため、高品質で高付加価値の製品作りを進める。将来の高齢化社会を見込み、95年に障害者向けやバリアフリーを意識した商品開発を始めた。だが障害者向け商品は多様なニーズがあり既製品は不向き。そこで、コンセプトを年配者や腰痛に苦しむ人なども日常的に使用できる製品に移した。

とことん国産にこだわる

適切な姿勢に調節できるベルト

適切な姿勢に調節できるベルト

 05年から佐賀市、佐賀大学医学部などと連携し、開発をスタートした。まず開発したのが「リラクトチェア」という座る人の体形に合ったいす。その後、機能性やデザイン性を進化させた「ドクターチェア」を開発。現在の「人にやさしい椅子」につながる。

 最大の特徴は背もたれの張り調節だ。背もたれ裏のベルトで、座った時に最も安定した頭がつく姿勢を保持する。座る人に合わせた、適切な背もたれの形に調節できる。体形に合わせる試みは平田社長の「老人と相撲取りが同じサイズでいいはずはない」という疑問が発端。同製品は3サイズで展開し、体形に合わせて選ぶことができる。また、通気性や体圧分散性能に優れたクッションをシート全体に採用。長時間座っても蒸れない快適な座り心地を実現した。

 機能だけでなく材料にもこだわる。「せっかく国内で作っているのだから、とことん国産材料にこだわりたい」(平田社長)と宮崎県産ケヤキを使用。価格は海外製同型品の2−3倍するが、それでも「地産地消」を意識している。

 現在はウェブでの直販がメーンだが、代理店を通した販売で拡販を狙う。「これまでの販売実績は約100脚。この価格の商品にしては売れている方だが、年1000脚を目指す」と平田社長は意気込む。

【コメント】平田椅子製作所・平田尚士社長
健康の基本は正しい姿勢

平田椅子製作所・平田尚士(ひらた・しょうじ)社長

平田椅子製作所・平田尚士(ひらた・しょうじ)社長

 08年2月に九州国立博物館(福岡県太宰府市)で展示した際には、何千人もの人に座ってもらった。背もたれの張り調節機能がとても好評だった。現在は佐賀大と改良タイプを検討中だ。今後はデザインのバリエーションや価格を抑えたエントリーモデルも製作し、リクライニング機能や小物、オットマンなども開発したい。将来は映画館のVIPシートなどへの展開も構想中だ。人間の健康は正しい姿勢が基本。若い人にもアピールし、このいすの認知を広げていきたい。

会社概要

会社名:有限会社平田椅子製作所
住所:佐賀県佐賀市諸富町徳富118の2
電話:0952-47-6534
URL:http://www.hiratachair.co.jp/