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地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

岐阜

地域に貢献する家具づくりを展開

企業名 飛騨産業 三類型 鉱工業品・技術 地域資源名 飛騨の木製家具
飛騨産業・岡田贊三社長

飛騨産業・岡田贊三社長

新技術導入で地域資源を有効活用

 飛騨産業は岐阜県高山市に拠点を置く家具メーカー。同市を中心とする飛騨地方は家具の産地として知られている。同地方に家具産業が集積するようになった背景の一つには、同社の熱心な取り組みがある。

 飛騨産業は1920年の設立。その当時、同地方にはブナの木が豊富にあった。しかしブナは木炭や、げたの歯に使われていた程度で、地域資源として有効利用されていなかった。そこで同社はブナを家具材料として使えるようにしようと挑戦を始めた。

 そうした中で着目したのが曲げ木技術。同技術は木材を高含水率・高温状態にして軟らかくするもので、軟らかくなった木材は曲げ加工がしやすく、さまざまな造形が可能になる。同技術の導入により、同社はブナを家具材料として利用することに成功した。

 このことがきっかけとなり、ブナを家具材料として使えることが家具業界で知られるようになった。その結果「飛騨地方に家具メーカーが多く集まり始めた」(岡田贊三社長)。地場産業の形成に同社が果たした役割は大きいというわけだ。

 そんな同社が今、新しい家具材料として有効利用し始めているのがスギだ。スギは日本の国土の12%を占める豊富な資源で、戦後、国策で大量に植林された。現在、野放しに近い状態にあり、「伐採して本格的に手入れする時期にきている」(同)という。

 スギは木目がきれいで香りもいい。また軽く、加工がしやすい。水分を吸収して湿度を調節する特徴もある。ただ軟らか過ぎて、傷つきやすいという欠点がある。そのまま家具材料としては使えず、手を加える必要がある。

 そこで同社が取り入れたのが圧縮加工技術。一定の温湿度で蒸して軟らかくした木材を、プレス加工して圧縮することで硬化する。またプレス加工の際、金型を変えれば波形、凹凸形など木材表面を自由な形にできる。

 同社は岐阜大学農学部と同技術の共同研究を進め、高精度のスギ材を得ることに成功。そして、03年からスギ材を使った家具づくりに取り組み始め、現在「wavok」、「HIDA」の両シリーズを販売している。

スギのイメージ向上で拡販へ

スギ材を用いた家具

スギ材を用いた家具

 両シリーズとも開発に当たり「デザイン性を重視した」(同)。自社だけではデザイン能力に限りがあるのでデザイナーと連携。例えばHIDAシリーズはイタリアの著名な工業デザイナーのエンツォ・マーリと共同開発した。05年に開かれた世界最大規模のインテリア・家具見本市「ミラノ・サローネ」で発表したところ、大きな反響を得た。

 期待の商品だが、現在のところはまだ「経営を支える商品と言えるほど売れていない」(同)。それは「まだ世間一般に知られていない」(同)からだ。またスギは花粉症の原因となっているため、いいイメージを持たれていないという問題もある。

 このため今後は「PR活動を強化するとともに、スギ材のイメージ向上に努めることが重要」(同)。販売拠点の拡充も図り、07年中に全国各地で販売する体制を整える計画。家具小売店に専用コーナーを設けてもらうことも検討中だ。将来は「スギ材を用いた家具が売上高の30%を占めるようにする」(同)という大きな目標を掲げる。

【アドバイス】他者との連携活動を積極的に

 自社だけがもうかればいいという考えで、事業を進めていてはダメだろう。地域資源は自社だけのものではない。地域資源をうまく生かし、新産業を創出するという気持ちで取り組んでほしい。

 地域資源をうまく生かすには、既存技術だけでなく、新技術も取り入れて挑戦することが大事となる。また自社の力だけで限りがあるなら、地域の企業と協同組合を設立したり、大学と共同研究したりするなど、連携を積極化するのも重要だろう。設備投資が必要になれば、国や自治体の各種補助制度を利用することが有効だ。

 企画だけで生産は中国などに任せる形態もあろうが、個人的には、それはどうかと思う。あくまで日本製にこだわり、自社で一貫して良いモノをつくりという姿勢で臨んでほしい。

会社概要

会社名:飛騨産業株式会社
住所:岐阜県高山市名田町1-82-1
業種:製造業(木材・木製品)
電話:0577-32-1004
URL:http://kitutuki.co.jp/