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地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

岐阜県

エラストマー樹脂でインテリア雑貨市場に挑む

企業名 八幡化成 三類型 鉱工業品 地域資源名 岐阜県のプラスチック

新素材で新市場に挑む

新ブランドの第一弾となったダストボックス

新ブランドの第一弾となったダストボックス

 くねくねと自在に曲がる万能ワイヤや革製品のような質感のダストボックス、メガネの形をしたバッグハンガー―。ピンクやイエローといった鮮やかな色と、エラストマー樹脂のしっとりとした手触りが印象的な「セルテヴィエ」シリーズは、デザインだけでなく機能性にもこだわった雑貨ブランドだ。岐阜県郡上市の山あいにある創業42年目の樹脂製品メーカー、八幡化成が企画開発と製造を手がけている。

 同社はホームセンターや量販店向けに、シンプルなプラスチック製の収納用品などを製造してきた。しかし10年ほど前から「海外からの安価な競合品の増加を肌で感じるようになった」(高垣美代子社長)という。量は多いが単価が厳しいという状況が続く中「自ら設定した価格で販売できる製品を作りたい」との思いから、07年に新市場に向けた商品の開発に着手した。

 狙った市場は百貨店や高級雑貨店といったアッパーゾーン。企画では「使い手に驚きや楽しさを与えなければ選ばれない」と考え、置くだけでインテリアになる高いデザイン性に加え、機能性や多様な使い方ができるユニークさを併せ持つ製品づくりを目指した。

 素材には発色がよく、柔らかな質感を生かした多彩な表現ができ、耐久性や安全性も高い熱可塑性エラストマー樹脂を採用した。しかし汎用樹脂と違い流動性が悪く、大きな製品や形状が複雑な製品は特に成形が難しい。不良率が高い上に価格は汎用樹脂の約3倍という素材を相手に何度も試作を重ねた結果、型の形状に合った最適な条件を見いだし、安定して成形する技術を確立した。

 製品の色には業界のトレンドカラーなどをいち早く掴み、思い切って鮮やかな色の組み合わせを使った。商品名には仏語などを語源とする造語をあてて欧州のモダンな雰囲気を出し、陳列時に商品の顔となるパッケージのデザインにもとことんこだわった。

欧州でも高い評価

織物の質感を表現したランチョンマット

織物の質感を表現したランチョンマット

 09年にダストボックスが完成したのを機にインテリア関連商品の展示会に出展したが、当初は苦戦続きだった。まず主催者から送られる招待状を配る先が分からない。展示会では商品点数が少なすぎて反応はいまひとつ。「ブランドとしてボリュームが必要」と出展するたびに新製品を投入し、出展3回目でようやく多くのバイヤーの目に留まるようになった。「あのとき諦めずに出展し続けたから今がある」と高垣社長は振り返る。

 11年初には「欧州で受けるか確かめたい」と、パリの展示会に出展。初回から高垣社長の不安を吹き飛ばす好反応があり、フランスやイタリアの有名雑貨店との取引が次々と決まった。今も海外バイヤーとのやりとりのために採用した英語に堪能な営業担当者が、電話やメールの応対に追われている。

 販路が海外にまで広がった今も新製品の開発は続いている。最近発売した和風のランチョンマットは、織物に近い見た目を表現すべく3年がかりで開発した力作だ。着想から約5年。新ブランドのアイテム数は100を数え、同社の経営のもうひとつの柱に育っている。

【コメント】八幡化成・高垣美代子社長
ブランド構築の難しさ痛感

八幡化成・高垣美代子社長

八幡化成・高垣美代子社長

 「セルテヴィエ」には企画当初から「機能性とデザイン性の高い商品開発」という明確な方針があり、商品の魅力を高めてくれる売り場を慎重かつ戦略的に選ぶ必要がありました。方針を貫くのには苦労もあり、ブランド構築の難しさを痛感しました。新ブランドが軌道に乗る一方で、従来のブランドでは汎用樹脂に紙や間伐材を混ぜて付加価値をつけた製品を開発しています。今後もこの2本柱で樹脂製品の可能性を広げていきます。

会社概要

会社名:八幡化成株式会社
住所:岐阜県郡上市八幡町旭182
業種:樹脂製品製造業
電話:0575-67-1175
URL:http://www.hachimankasei.co.jp/