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地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

大阪府

新加工法でガラスの魅力引き出す装飾品

企業名 ハブ硝子 三類型 鉱工業品 地域資源名 ガラス製品

偶然から産まれた新製品

グラスモンド。LED照明などと組み合わせると文字やイラストが明るく輝く

グラスモンド。LED照明などと組み合わせると文字やイラストが明るく輝く

 大阪のガラス工業は1750年頃に始まったと言われる歴史の古い地場産業だ。大阪府東大阪市のハブ硝子はホテル、パチンコ店向けのガラス鏡や百貨店のディスプレー用ガラス製品などの加工から、取り付け、施工を手がける。同社が新製品として開発したのは、直径1ミリ−2ミリメートルのドットでガラスの表面に文字やデザインを描く「グラスモンド」だ。

 グラスモンドは高透過ガラスの表面を特殊な工具でたたくようにして、深さ0.1ミリ−0.3ミリメートルのドット状のクラックを作る。クラックが光を乱反射するため、発光ダイオード(LED)照明などと組み合わせると文字やイラストが明るく輝くのが特徴だ。ガラスの内側にレーザー加工でデザインを施すのに比べて加工面の形状が複雑なため、光を当てたときの輝度が高く、ガラスの側面から照明を当てるだけでデザインが目立つ。看板などに利用されているアクリル導光板よりも変形しにくく、材料費も安価で済むという。

グラスモンドの自動加工機

グラスモンドの自動加工機

 実は、グラスモンドは羽生一人社長がある偶然から発明した製品だ。羽生社長が不要なガラスを捨てるためにハンマーでたたき割っていた時のこと、ひびが入ったガラスを見て「このひびで模様を描いたらどうだろうか」と思いついたのが始まりだった。そこで、試しに手作業でいろいろなデザインを描いてみたところ、たまたま知り合いのホテル経営者の目にとまり、装飾用ガラスとして最初の注文が得られたのだった。

美容室向けの照明器具も

美容室向けの装飾用照明器具

美容室向けの装飾用照明器具

 「装飾用として新しい製品になる」と感じた羽生社長は、手作業の手間を克服するため機械メーカーに相談して機械化にも着手。約1200万円を投じてグラスモンド専用の加工機械2台を導入した。自動機械はアドビイラストレーターやPDFのデータがあれば幅2メートル×長さ3メートルの大きさのガラスに好きな文字やイラストを描くことができ、100ミリ四方のデザインなら1時間半以内で加工可能だ。

 しかし、ガラスをたたいてクラックを入れることに対する不安の声もあるため、羽生社長は大阪工業大学の岡本覚客員教授に依頼してグラスモンドの強度評価も実施している。その結果、グラスモンドのクラックは円形に完結しているためひびが広がりにくく、曲げ試験でも通常のガラスの半分の強度があることが分かった。装飾用には十分な強度があり、飛散防止フィルムを使えば建築用でも問題なく使える。自らもガラスを使ったアート作品を製作している岡本教授も「初めて見る加工法で、ガラスの魅力をうまく引き出している」と驚きを隠さない。

 ハブ硝子は今後、新しい装飾ガラスとして建築設計業や内装業にグラスモンドを売り込む考えだ。また、LED照明と400ミリ×340ミリメートルのグラスモンド3枚を組み合わせた美容室向けの照明器具の製品化も進めており、2012年11月までに500台の販売を目指している。

ハブ硝子・羽生一人社長

ハブ硝子・羽生一人社長

【コメント】ハブ硝子・羽生一人社長
これまでにない、まったく新しい製品

 LED照明とグラスモンドを一体化したスタンド型の新しい装飾用照明を発売する計画だ。従来の照明器具はガラスの側面に照明をつけるという発想はなかった。これまでにない、まったく新しい製品のため、今後いろいろな用途を開発していきたい。
 グラスモンドの表面は手で触れてもどちらの面にクラックがあるのか分からないほどなめらかに仕上がっており、強度や安全性の面でも問題ないことを確認している。今後はさまざまなデザインを作るために、新しいドット形状なども開発していきたい。

会社概要

会社名:有限会社ハブ硝子
住所:大阪府東大阪市三島3-8-10
業種:ガラス・鏡製品の加工・販売・施工
電話:06-6748-2150
URL:http://glasmond.jp/