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地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

群馬県

繊細な刺しゅうを施す高級カジュアルで自社ブランド

企業名 丸進 三類型 鉱工業品 地域資源名 東毛地区の織物製品、メリヤス製品、ニット製品
「原点である手作り感覚を見失いようにする」という佐久間茂社長と作業風景

「原点である手作り感覚を見失いようにする」という佐久間茂社長と作業風景

中国・香港で評判

 「5年かけてようやく事業としての将来性が、明確に見えてきた」と丸進(群馬県みどり市)の佐久間茂社長の表情は明るい。主力の特殊プリント加工や刺しゅうの受託加工で培った技術を生かして立ち上げた自社ブランド「IREZUMI JAPAN」。同ブランドの取扱店舗がこの1年で倍増の20店舗に達した。うち1店舗は中国、2店舗は香港への出店だ。

 同ブランドは主な対象はレディス、メンズとも20−30代。大胆なプリントにきめ細かな刺しゅうをTシャツやジャンパー、ズボンに施すことで、他には無い独自デザインに仕上げている。価格はTシャツで8000−1万2000円と高価格帯に属するため、購買力を付けた40代が購入することも多いという。

繊細な刺しゅうやプリントを施した自社ブランドの高級カジュアル

繊細な刺しゅうやプリントを施した自社ブランドの高級カジュアル

 10年秋と11年春に出店した展示会で好評を博し、取引店舗拡大に結びついた。特に香港の流通関係者から、「繊細で細かいところにも気を使っているデザインが日本製ならではの品質だと受け止められた」と佐久間社長は振り返る。数年前に参入した欧米にも、今年度内に再挑戦する意向だ。

 1店舗あたりの取扱量が少ないのが課題だが、納入した店舗から2割増を再発注されるなど、納入先店舗での販売は上々だ。地域資源活用支援事業の最終年度にあたる2011年度は売り上げ3000万円を目指している。目標通りに売り上げが推移すれば、損益分岐点を超え、晴れて“独り立ち”となる。同時に商品がメディアなどに露出する機会も増え、「年間2億円の売り上げも現実味を帯びてくる」と佐久間社長は期待を寄せる。

 「定期的に現地コーディネーターと情報交換を行っているが、実際に足を運んでみて、好みや美的感覚の微妙な違いを感じることができた。日本では分からなかった改善点なども把握できたので、これらを反映して改良を進めたい」(篠田社長)。ヨーロッパ人のニーズや好みに合ったテーブルウエアの完成に向けて、あと一息だ。

手作り感覚を損なわず

丸進・佐久間茂社長

丸進・佐久間茂社長

 同社が立地する群馬県みどり市や隣接する桐生市は繊維産業の一大集積地だった。産業の重工業化に伴い、繊維産業の生産拠点は中国などにシフトした。このため同業者の廃業が相次いだが、丸進は特殊なプリント加工と高難度の刺しゅうを磨き上げ、今日まで生き延びてきた。しかし、同社が手がける製品の最終販売先である百貨店や衣料専門店は苦戦が続き、結果として丸進の受注量もじり貧状態に陥っている。それだけに自社ブランド事業を今後の事業の柱に育てなくてはならない。

 ただ、佐久間社長は「原点だけは見失わないようにしたい」と自戒する。販売数が伸びれば、自動化や標準化を進め、いわゆる量産化による原価低減が可能になる。「これが落とし穴で、過度な自動化は我々のオリジナリティーである手作り感覚が損なわれてしまう」。従業員45人の同社が持つ資源を生かせるのは、あくまでニッチ分野を突く少量品にあるとの認識はブレない。

【コメント】丸進・佐久間茂社長
5年かけたから事業化のめどが立った

 地域資源活用支援事業の期間は5年で、事業化するには最適な期間だった。技術開発だけなら1年で済むかもしれないが、試作開発してから販路開拓し、事業を軌道に乗せるまでは長い年月を要する。我々は欧米の展示会への出展などを通じ、価格帯やデザインテイストを何度も見直してきた。展示会では概して好評を得てきたが、売り上げでいうと最初の2年半は“鳴かず飛ばず”に等しかった。
 周辺には地域資源活用支援事業の認定を受けた企業が繊維産業を中心に数多く立地する。最近、これらの企業の経営者らと交流する機会が増えている。直接ビジネスにつながるわけではないが、お互いに人を紹介しあうなど、志のある人同士で有意義なネットワークが広がりつつある。

会社概要

会社名:株式会社丸進
住所:群馬県みどり市大間々町大間々632−1
業種:刺しゅう、プリント加工
電話:0277−73−5115
URL:http://www.sunfield.ne.jp/~mrs/