HOME > 事業を広げる > 地域資源活用チャンネル

地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

宮崎県

「癒しの空間」をつくる職人集団

企業名 アトリエ・グローバル 三類型 農林水産物 地域資源名 スギ
40年から60年経った年輪のスギ丸芯棒を床部分に使ったシングルベッド

40年から60年経った年輪のスギ丸芯棒を床部分に使ったシングルベッド

環境にやさしい家具づくり、建築

 「宮崎県産木材を使った商品で綾町の活性化に取り組みたい―」。アトリエ・グローバルの川野幸三代表はそう意気込む。全国有数の照葉樹林地帯が広がる同町はスギ、ヒノキの産地で木材工芸が盛ん。同社は2012年1月からスギ材などを使った家具や寝具の全国販売に乗り出した。将来は南国・宮崎の太陽を浴びて育ったスギ材の、吸湿性や香りといった特性を生かして「癒やしの空間づくり」をテーマとした、トータルインテリア商品の提案を目指している。

 アトリエ・グローバルは73年12月に設立した。創業以来、環境にやさしい家具づくり、建築をコンセプトに掲げてモノづくりに取り組む職人集団だ。継ぎ目模様がまだらにある集成材の板目を、一本の原木から切り出した無垢(むく)材のまっすぐな正目に加工できる独自技術が強み。

宮崎県綾町にある「癒やしの空間づくり」をテーマとしたショールーム

宮崎県綾町にある「癒やしの空間づくり」をテーマとしたショールーム

木材の堅さ和らげる

 商品化した木製イスやベッドは、販売単価が安いスギ集成材を製作する工程で、これまで建材として未使用だった直径4―5センチメートルの丸芯棒に着目。丸芯棒をイスの着座部分やベッドの床部分に使い、その外の構成部材は正目のヒノキ集成材を使って高級感を持たせた。
 イスは1―4人掛けがあり、背もたれや肘掛けのない4人掛けを2セット平行に並べれば簡易ベッドになる。ベッドは自然志向や健康志向の高まりを受け、マットレス愛好者向けにシングルベッドを開発した。丸芯棒を敷き詰めた床部分に直接敷布団を敷いて寝ることができる。
 木製品は一般的なソファやベッドに比べて堅いイメージがある。長時間座ったり、寝たりすることは難しい印象だ。だが着座部分と床部分に敷き詰めた丸芯棒と丸芯棒の波打つすき間の凹凸が、体重を分散させて木材の堅さを和らげるよう工夫した。

 川野代表は「スギ材は余分な熱を吸収する。吸湿性に優れ、長時間座ったり、寝ても蒸れない。抗菌効果もある」と話す。さらに「ベッドは寝苦しい夏場も木材の通気性で安眠できる」という。価格は一人掛けのイスが2万円から。シングルベッドは12万6000円。
 すでにベッドはサンプルで累計100セット販売しており、「健康志向の顧客やベッド単体ではなく、トータルインテリアの一部として購入した顧客から高い評価を得ている」(川野代表)と胸を張る。

 今後は東京、大阪、福岡など全国主要都市6拠点で展示会を開き、販売代理店も募る。自然志向の顧客を対象に、癒やしの空間づくり商品としてのブランド力を高め、提案、販促活動を積極的に行う計画だ。
 川野代表は「3年後までに社員数を現在の4人から12人に増員し、14年8月期売上高は、11年8月期比3倍の1億8000万円を目指したい」と意欲を燃やしている。

アトリエ・グローバルの川野幸三代表

アトリエ・グローバルの川野幸三代表

【コメント】アトリエ・グローバルの川野幸三代表
自然と共存共栄するライフスタイルの実現を

 71歳の建築工芸家だが、まだまだ仕事への情熱と新商品開発への意欲は尽きない。太陽エネルギーを浴びて成長した木から英気を養っているといった感覚で、まさに木材産業は太陽エネルギー蓄積産業のようだと感じている。この発想が、健康に良い木材を使って居住空間をトータルコーディネートする癒やしの空間づくりへつながった。
 今後は宮崎県産のスギ、ヒノキ材を使った商品のブランド力をさらに高め、少子高齢化で疲弊する中山間地の地域産業を活性化していきたい。同時に木材産業に携わる人材育成も必要だ。将来は廃校を活用して人材育成の場となる「匠の学校」を作りたい。自然の恩恵を受けながら、自然と共存共栄するライフスタイルの実現をコーディネートしたいと夢は膨らむばかりだ。

会社概要

会社名:有限会社アトリエ・グローバル
住所:宮崎県東諸県郡綾町南俣498
業種:建築設計と家具の製造販売
電話:0985-77-3668
URL:http://www.global-village-aya.co.jp/