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地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

福井県

高デザイン性を有する眼鏡フレームで差別化図る

企業名 福井めがね工業 三類型 鉱工業品・技術 地域資源名 眼鏡

デザイン性に優れるマグネシウム製眼鏡フレーム開発

マグネシウム製フレームの眼鏡。新技術により3次元的な曲面デザインを可能とした

マグネシウム製フレームの眼鏡。新技術により3次元的な曲面デザインを可能とした

 福井県鯖江市は眼鏡フレームの国内生産の95%以上を誇る。世界シェアでも約20%と、イタリア、中国とともに世界3大生産地の一角を占める。ただ、海外勢の台頭により、鯖江の産地は構造問題に直面している。1980年代に鯖江で確立したチタンフレームの製造技術は中国へ流出。中国メーカーの技術・品質力の向上により、今日では中国製の安物チタン製品が大量に日本へ入っている。「この10年間で市場が急激に変化した」(牧野登志雄取締役)という。国内市場で店頭に並ぶ眼鏡フレームは数量ベースで外国品が約6−7割。市場では高級ゾーンはイタリア、ボリュームゾーンは中国にそれぞれ奪われ、国産品は上下から攻められている状態だ。

 こうした状況を打開するため、鯖江産地でも製品のさらなる差別化で勝ち残りを図ろうとする取り組みが出てきた。福井めがね工業は長年にわたる眼鏡枠づくりで培ったチタン、プラスチックの加工技術に、新たにマグネシウムの射出成形技術を融合し、デザイン性に優れるマグネシウム製眼鏡フレームを開発。この新技術を取り込み、蓄積することで、異分野への進出も目指す。マグネシウムは軽くて強度があり、電磁波を遮断できるなどの利点もある。これらをアピールし、自動車やエレクトロニクス分野など新たな顧客の開拓につなげたい考えだ。

軽く、違和感覚えにくい

マグネシウム射出成形の様子。地元業者等と試行錯誤しながら技術を取得した

マグネシウム射出成形の様子。地元業者等と試行錯誤しながら技術を取得した

 開発した製品は眼鏡の前枠部分がマグネシウム合金製。アルミニウムの3分の2、チタンの3分の1と軽く、鼻に当たるパッド部分に重さや違和感を覚えにくい。これまでマグネシウム板材から削り出すフレームはあったが、デザインがどうしても平面的となる。同社はマグネシウムの鋳造技術を業界に先駆けて取り入れ、3次元的な曲面デザインを可能とした。ただ、開発ではさまざまな苦労も。「マグネシウムの鋳造はすべてが初めての経験」(同)で、約3年をかけて最終製品にたどり着いた。鯖江産地の活性化のため、地元の金型メーカーや金属切削加工業者と協業。試行錯誤しながら技術を取得した。金型の熱膨張問題を解決するため、設計段階から協力して取り組んだ。金属加工でも切削油の選定や加工条件の改善など、業者とともに手探りで進めた。

異分野進出へ、粘り強くアプローチ

 販売は09年4月から、40歳以上の高所得層をターゲットに開始。高級サングラスとして需要開拓を図ってきた。しかし、急速な景気悪化の影響で「眼鏡市場も様変わりし、高級品は売れにくくなっている」(同)という。現在は定価2万円程度の中級ゾーンの国産品が売れ筋だ。このため、今後は低価化に向けてコストダウンを図る考え。一方で、耐食性能を上げる研究も続け、大型眼鏡小売店のほか、アウトドア店などでの販売も探っていく。自動車やエレクトロニクスの関連部品など異分野への進出は、現状では「数量、品質、価格の面で、なかなかハードルが高い」(同)。今後も粘り強くアプローチを続け、業容拡大を図る。

福井めがね工業・田畑周徳社長

福井めがね工業・田畑周徳社長

【コメント】福井めがね工業・田畑周徳社長
産地の技術力アピールし飛躍目指す

 当社は1966年創業の眼鏡枠専門メーカーで、これまで一貫して"眼鏡の軽さ"を追求してきた。福井県内で初めて純チタンフレームを手がけるなど、常に新しい技術へ挑戦してきた。産地全体の売り上げが縮小傾向にあるなか、今後は眼鏡枠づくりをコア事業に、これまで獲得した要素技術を応用して新規取引先の獲得に力を入れていく。マグネシウム製眼鏡フレームの開発は産地を元気にするため、これまで眼鏡にたずさわってきた人々と協力して行った。これからも産地の技術力をアピールし、当社も一段の飛躍を目指す。

会社概要

会社名:福井めがね工業株式会社
住所:福井県鯖江市北野町2-2-11
業種:めがねフレーム・サングラスの研究開発・製造・販売
電話:0778-52-3471
URL:http://www.fukuimegane.co.jp/