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地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

沖縄県

伝統柄と素材使った枕で睡眠を変える

企業名 First Line 三類型 鉱工業品 地域資源名 月桃、リュウキュウマツ、ユーカリ、
沖縄の塩、琉球びんがた、琉球絣

 First Line(ファーストライン)は沖縄県を南北に貫く幹線道路、国道58号線沿いに本社を構える寝具メーカー。本社併設の店舗は2011年6月に「眠りの駅」としてオープンした。広々とした空間にはベッドや色とりどりの寝具が並ぶ、同社のショールームだ。大城勇社長は「従来の布団店のイメージを崩したかった」と語る。その戦略の一つが沖縄伝統の文化や素材を活用した「沖縄らしい寝具」の開発だ。

月桃の香りで安眠効果

月桃を使った枕

月桃を使った枕

 同社は伝統素材を用いた「香り枕」の開発と販路開拓に取り組んでいる。香り枕は頭を載せると、ほのかに香りが漂い安眠を促す。県内のホテルから、リゾート感を高めるために地元の素材を使った枕の製作を依頼されたのが開発のきっかけだった。

 使用するのは県内に自生するショウガ科の多年草「月桃(げっとう)」。縦長の葉を持ち、白い花が咲く。葉でもちを包んで蒸すなど伝統料理に使われる。乾燥させてお茶としても飲まれる。葉や茎から出る油分には殺菌効果や防虫効果があり、化粧品としても人気が高い。リラックス効果があるとされ、「古くから生活の中にある素材」(大城社長)だ。

 月桃の香りに包まれることで快眠につなげる機能性を狙った。枕には県内産で、お茶用のものを裁断して使用する。口に入っても安全なためだ。加工も県内業者に依頼したほか、枕自体の機能にもこだわった。羽毛(ダウン)に羽根(フェザー)を混合することで、適度な弾力を持たせるとともに、価格も抑えた。

琉球びんがた模様の寝具

琉球びんがた模様の寝具

 また枕カバーには「琉球びんがた」や「琉球絣(かすり)」といった、沖縄伝統の図案や色づかいを用いる。有名作家が描いた色鮮やかな花柄で、掛け布団などと統一感を持たせて沖縄のイメージをさらに演出している。

 このほか香りのバリエーションとして、沖縄原産のリュウキュウマツやユーカリを使った枕の製品化も目指す。ほかにも塩の冷却効果を利用して「頭寒足熱」で安眠を促す製品も開発中だ。11月にはビーズに香りをつけることで、カートリッジ式として香りを取り換えることができる枕を発表。製品の幅を広げた。

積極的に販路開拓海外にも

 販売面でも独自性を出す。店舗では民間資格の「睡眠環境診断士」が、自分に合った寝具を選んでくれる。店舗を単に商品を売る場所としてではなく、快眠につながる情報発信を行う場所として位置付ける。また県内のホテルには、自社製品などでそろえたPRルームを設けた。宿泊客に実際に安眠効果を体験してもらう仕掛けだ。

 海外展開にも積極的だ。「リゾートホテルをメーンに、中国、香港に展開したい」と大城社長は意気込む。すでに香港には支社も構えており、11年12月には中小企業の展示会に出展した。

 このほかホテルや家庭のベッドまわりとエアコンを清掃することで、快眠につなげるサービスも県内で拡大を図るなど、事業拡大はとどまることを知らない。同社を貫くのは、快適な眠りに対する情熱だ。大城社長は眠りというサービスを提供しながら、沖縄文化の発信と振興に尽力する。

First Line・大城勇社長

First Line・大城勇社長

【コメント】First Line・大城勇社長
布団屋のイメージ変える

 眠りは人間にとって大切なことだが、重要性に対する意識が欠けている。開発した枕はそれに気付いてもらう一つのきっかけになってほしい。店舗では睡眠環境を診断するなど、眠りをサービスとして提供し、顧客に眠りというかたちで利益還元したい。これまでは布団屋が言っても聞いてもらえなかった。従来のイメージを崩したい。

 またベッドまわりの清掃サービスや布団のリースなど、事業を広げて眠りに関するすべてを扱う企業を目指す。

会社概要

会社名:株式会社First Line
住所:沖縄県宜野湾市真志喜2の2の11
電話:098-988-8231
URL:http://www.nemurinoeki.com/