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地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

石川県

珪藻土を用いた屋上緑化システム開発

企業名 アースエンジニアリング 三類型 鉱工業品 地域資源名 珪藻土

 1996年に富山県砺波市で創業したアースエンジニアリングは、燃えるゴミを固形燃料にするプラントや、廃材を利用して木質ペレットを製造する装置など環境関連の製品を開発・販売している。2001年に石川県に志賀工場を設立。さらに03年には本社を富山県から金沢市に移転し、能登地区の地域資源である珪藻土を生かしたリサイクル製品の開発に着手した。そして、珪藻土を利用した二元構造の発泡セラミックス「ハイセラ」を完成、これを用いた緑化基盤システムを商品化している。

粘土とスラグを混合

志賀工場の「ハイセラ」製造ライン

志賀工場の「ハイセラ」製造ライン

 珪藻土は、10―100マイクロメートルの微細な気孔を持つ天然素材で、全国で60%が石川県の能登地区に埋蔵されているという。現在、産業用としては耐火レンガ、しちりん、住宅建材などの素材として使用されている。

 珪藻土のみを焼成した場合、孔が破壊されて吸放水性が低下。重くなる上に縮んでしまう。板材として利用するには適していない。そこで同社は、珪藻土に粘土を加え、さらに鋳鉄製造で排出される水砕スラグを混ぜ合わせた。そして、混合素材を約1000度Cで焼いた。すると、混合素材がスポンジケーキのように膨らみ、素材の中にもともと珪藻土の持つ細孔と、製造工程でできるミリ単位の孔の2種類の気孔ができた。小さな気孔は水分をためこみ、大きな気孔は水分はためずに通気性があることを発見。こうして二元構造の発泡セラミックス「ハイセラ」が誕生した。

 同社はこの多孔質セラミックスを、屋上緑化の基盤材に利用する。通気性と保水性が両立することから、水やりの必要がなく根腐れも防げると考えた。複数の企業から共同開発の申し入れがあり、06年にセダム(多年草の多肉植物)を基盤材に植え付けた無潅水型緑化システム「プランツキャスト」を完成させた。

 同システムは、高い保水性、水分均等分布性、断熱性、蒸発散性などに優れており、芝生やコケで覆う従来の屋上緑化と比べ施工が簡単だ。手入れも簡単でほとんどランニングコストがかからないことから、都市部の気温が郊外に比べ著しく高くなるヒートアイランド現象の対策商品として販売している。

ごみ焼却灰で代替できる可能性も

 現在、同社はこの発泡セラミックスの材料の一つに使用している粘土を、ゴミの焼却灰で代用できないか研究している。粘土とゴミの焼却灰は特性が似ており、焼却灰だとどこの地域でも入手できるメリットがある。また、補助金を使って二元構造発泡セラミックスの説明キットを制作した。展示会などで材質や技術開発のイメージが明確に伝えられるという。

アースエンジニアリング・大西和弥社長

アースエンジニアリング・大西和弥社長

【コメント】アースエンジニアリング・大西和弥社長
自慢の技術を売れる技術に

 創業以来、厄介者であるゴミからその機能を見いだすことによってリサイクルの技術を商品化につなげてきた。「ハイセラ」の完成で、廃棄物を焼却して得た熱エネルギーを回収し再利用するサーマルリサイクルシステムが完結したと思う。また、「プランツキャスト」は、緑化によるCO2の削減やヒートアイランド現象の抑制、建物内の温度上昇防止による省エネなどにも貢献する。「自慢の技術」が「売れる技術」となるよう、ビル管理会社やリフォーム会社、不動産会社などと提携したい。

会社概要

会社名:株式会社アースエンジニアリング
住所:石川県金沢市鞍月二丁目二番地
業種:環境関連装置や材料の製造販売
電話:076-268-6424
URL:http://www.earth-eec.co.jp/