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地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

佐賀県

レンジやオーブンで調理できる有田焼の食器

企業名 大慶 三類型 鉱工業品・技術 地域資源名 伊万里・有田焼

 「ライフスタイルの変化に対応する」と力を込めるのは、大慶の森義久社長。電子レンジやオーブンに対応した磁器製調理器の販路拡大に力を入れている。デザインにこだわり、そのまま食器として使用できる。単身者や少人数の家族への浸透を狙うとともに海外市場での販売を視野に入れている。

素材から開発、デザインと機能性を両立

調理ができて食器にもなる「うつわび」

調理ができて食器にもなる「うつわび」

 大慶は佐賀県有田町で陶磁器の製造販売を手がけている。もとは明治時代創業の窯元で、1986年に製造販売会社となった。新たに販路を開拓する有田焼の「うつわび」シリーズは、歴史ある磁器産地が守ってきたブランドと自社の技術を生かした新商品だ。

 「うつわび」は皿タイプと鉢タイプの2種類。それぞれサイズが大小ある。どれもふたが付き、電子レンジやオーブンで煮る、焼く、蒸す、ゆでるなど、ほとんどの調理が可能。ご飯を炊くこともできる。ほぼ全家庭に普及している電子レンジで日常的に使える器がコンセプトだ。

 ふたには切れ目が一カ所に入っており、密閉だけでなく向きを変えれば蒸気穴になる。「ラップが不要でエコだ」と森社長は説明する。持ちやすさも意識し、佐賀県の「ユニバーサルデザイン推奨品」に認定された。

 デザインも訴求の重要なポイント。『UTSUWA美』とも表記するように見た目にこだわり、白磁にカラフルな絵付けを施した。食器としての価値を高め、調理した器を食卓にそのまま並べられるようにするためだ。調理ができて、食卓を飾る華やかな食器にもなるという機能性を売りにする。

 同社はこれまでもIH(電磁誘導加熱)や電子レンジ対応のセラミックを開発、製品化していた。しかし耐熱材料を使うと色を黒くせざるをえず、デザイン性に制限があった。そこで佐賀県窯業技術センターなどと協力して素材を開発。従来の有田焼の特徴を兼ね備えることを可能にし、デザインの幅を広げた。

狙いはエコと安心・安全を求める若年層

ふたの切れ込みが蒸気穴に

ふたの切れ込みが蒸気穴に

 メーンターゲットは20−40歳代の男女だ。マーケティングを基に、エコや安心安全を求める消費者を取り込む戦略。「磁器は洗えばにおいが取れて繰り返し使える。有田焼のブランドもあり、国産で安心感があるはずだ」(森社長)と、既存のシリコーン製品などと差別化する。

 狙うのは有田焼が取り込めていない層でもある。有田は産業規模が大きく落ち込んでいる。1990年代に最盛期を誇ったが、バブル崩壊とともに活気を失い、現在の市場規模はピーク時の約5分の1。要因は安価な輸入品の台頭や、若年層を中心に食器自体を使わなくなるなどの生活の変化にある。

 今後はメディアなどでの露出を増やしてPRを積極化する考え。アジア市場にも期待しており、開拓を狙う。安価な模倣品対策には「素材の知財を持っているため大丈夫だ」(同)と力を込める。また素材の開発をさらに進めて、調理の幅を広げていく。「有田焼というブランドと高い機能性があれば、消費者は選んでくれる」と、森社長は意気込む。

大慶・森義久社長

大慶・森義久社長

【コメント】森義久社長
消費者と幅広く接点づくり

 まずは『うつわび』を消費者に知ってもらうことが重要だ。テレビショッピングやインターネット通信販売、百貨店など幅広いチャンネルで販売していくことで接点をつくっていく。製品ブランドを構築しながら「健康」や「弁当づくり」など、流行のキーワードと結びつけて販売を拡大したい。

 有田焼は人間国宝がつくる高級美術品から業務用食器、日用食器まで幅広く、奥深い。各窯元がそれぞれ独自性を持って製品開発に取り組むことが、産地の活性化につながるはずだ。

会社概要

会社名:株式会社大慶
住所:佐賀県西松浦郡有田町下山谷乙1162-12
業種:陶磁器製品の製造販売卸
電話:0955-46-2323
URL:http://www.daikei-arita.jp/