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地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

大阪府

3D構造靴下で足に立体感とフィット感

企業名 コーマ 三類型 鉱工業品 地域資源名 靴下

 コーマは1922年の創業以来、大阪府松原市で靴下一筋に手がけてきた。創業90年の歴史の中で掲げてきた基本理念は「開発に生きる」。開発精神が苦しい時期も同社を支え、赤と紺を裏表に編み込み玉虫色に見える「玉虫技術」から、スパンデックス入りソックスやサッカーストッキングなどヒット商品を生み出してきた。吉村盛善社長は「会社が元気な時は開発に力を入れていた」と振り返る。

機能性靴下を競技者が実感

足の形と動きに対応した機能性を持つ3Dソックス

足の形と動きに対応した機能性を持つ3Dソックス

 大阪府の靴下生産高は2010年が1313万8240足と6年前に比べ半分以上に減少。中国などの輸入品の国内需要に占める割合が約70%を占め、どん底状態にあるという。松原市では靴下を地域産業資源に認定。市場にマッチした付加価値のある商品開発を促進する。

 その中で同資源活用事業計画に認定されたコーマの3Dソックスは足の形と動きに対応した機能性を持つのが特徴。(1)つま先部分などにマチ状の編みをつくり立体的に膨らみを形成(2)足裏の母趾(ぼし)球に合わせた立体設計(3)土踏まずのアーチ部分を適正な位置で安定させ疲れの低下を防止。このようにつま先や足の形状に合わせた立体的に膨らんだ構造がズレを防止し、疲労を抑えフィット感をもたらす。

 3Dソックスは04年ごろ開発に着手。地域資源の丸編みニット技術の活用や編み機を改造するなど苦心しながら07年に試作品が完成した。機能性ソックスの理解に時間を費やしたが08年からOEM(相手先ブランド)供給中心にスポーツ用とビジネス用の2種で試験販売。すると「足首を固定した状態で着地し、地面からの反発力をスピードにできる」と予想を上回る反響となった。また、さらに「薄手で高機能構造に」「グリップ性を良く」などのニーズを踏まえ11年に5本指つま先3Dタイプを試作させるなどより改良を加えた。一方でヨーロッパ、米国、中国、台湾、タイで特許取得や商標登録申請し海外展開の準備も進めた。

自社ブランド「FOOTMAX」の認知度向上

自社ブランド「FOOTMAX(フットマックス)」を展示会に出展

自社ブランド「FOOTMAX(フットマックス)」を展示会に出展

 3Dソックスは大手スポーツ・アパレルメーカーのOEMのほか自社ブランド「FOOTMAX(フットマックス)」として百貨店や高級スポーツ店、ウェブで販売。10年10月に日本靴下協会主催「第16回靴下求評展」の経済産業大臣賞を受賞。大阪府山岳連盟などの登山家、陸上競技者、自転車競技者らの生の声を反映させ「靴下の概念が変わった」など外部評価を得て機能商品としてのカテゴリーができつつある。また同社は12年中に動画サイトを開設。動画で5本指タイプでもはきやすい点や3D構造などの効果をわかりやすく説明。機能性をより理解してもらい販売促進につなげる考えだ。

 吉村社長は「今後も靴下の『ずれる』『むれる』『破れる』『外反母趾対策』などの解決不可能で、永遠の課題と言われる課題克服に挑戦していきたい」と国内産業として残れる付加価値のある靴下の開発に意欲をみせる。

コーマ・吉村盛善社長

コーマ・吉村盛善社長

【コメント】コーマ・吉村盛善社長
伝統と開発力で日本の靴下の未来を切り開く

 日本の製造業は中国など低コストの海外の国と戦うのはあらゆる分野で厳しい。日本の繊維産業は付加価値をつけたり地域の独自色を持っていたりするのが強み。それを生かせる開発をしていきたい。靴下は欧州など先進国にしても機能性を重視した製品はほとんどない。日本人、日本の産業、日本の歴史だからこそできる付加価値や機能を購入してもらえ国内の製造、開発で戦える製品を開発する。また当社は靴下業者が柄屋と生地屋の2つの出身があるなか生地屋として無地で勝負してきた。品質を重視するがうえ自社で簡単な工作機械を持つほど編み方にも工夫をこらしている。こうした伝統の蓄積を付加価値の高い製品開発に生かしていきたい。

会社概要

会社名:コーマ株式会社
住所:大阪府松原市阿保3の6の27
電話:072-332-1563
URL:http://www.cooma.co.jp/