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地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

千葉県

歴史的町並みを生かす「食のまち」を実現

企業名 ボン・シェール 三類型 農林水産物、観光資源 地域資源名 佐原の歴史的町並み・山車行事、北総のポーク

観光バスの対応難しく

 千葉県北東部の利根川流域に位置する香取市は江戸時代から舟運の中継地として栄えた。市の中心部を流れる小野川沿いは当時「佐原河岸」として問屋業や醸造業が建ち並び、今も往時をしのばせる風情が色濃く残る。1996年(平8)には関東地方で初めて「重要伝統的建造物群保存地区」の認定を受けた。

 歴史的な町並みは貴重な観光資源だ。町並みの保存や再生を通じ、観光地としての魅力を高めてきた香取市だが、整備が進んだ後は観光客を受け入れる体制づくりが課題となった。市街には複数の大型観光バスに対応可能な飲食店がわずかしかなく、潜在的な需要をとらえきれていなかった。どんな観光地でも“食”の魅力がなければリピーター獲得は難しい。そこで市は、市内でレストランを経営しているボン・シェールの吉塚義雄社長に白羽の矢を立て、「地域資源活用事業」を活用した“食のまち・佐原”の実現に取り組んでもらうことにした。

地域の飲食店や土産店を紹介

09年9月に開店したバイキング形式のレストラン「ロテスリー 吉庭」

09年9月に開店したバイキング形式のレストラン「ロテスリー 吉庭」

 吉塚社長が営む「吉庭」は、800坪の日本庭園と創作料理が自慢。店舗は約140人が収容可能で、市内では珍しい大型店だ。もともと福岡県の出身で、東京・銀座の名門レストランの創設メンバーでもあった吉塚氏。老舗の個人商店が多い地元では異色の存在でもある。

 そんな吉塚社長が取り組んだのは、まず地域の飲食店や土産店を紹介する地図入りのパンフレットの制作と観光客への配布。続いて開いた「佐原グルメ祭り」では、多くの来場者を集めることに成功した。

 さらに吉塚社長は、大きく踏み込んだ構想をスタートさせる。各飲食店が自慢の一品や新商品を持ち寄り、訪れる人が一度に楽しめるようなレストランの開設だ。ところが「地元の商店主らにとっては初の試みということもあり、足並みがそろわなかった」(吉塚社長)。そこで構想を練り直し、単独出店に切り替えた。補助金を使わないため資金面のハードルは上がったものの、新店舗は09年9月に無事オープン。席数は観光バス2台分の70席を用意した。「健康」をキーワードに地元食材をふんだんに使った料理の評判は上々で、今では団体客の定番コースの一つとなりつつあるという。

地元産の豚をブランド化

「北総ポーク」を活用した生ハムとイチジクのピクルス。来夏の商品化を目指している

「北総ポーク」を活用した生ハムとイチジクのピクルス。来夏の商品化を目指している

 現在は、地元産の豚を活用し、生ハムとイチジクのピクルスを組み合わせた商品開発にも力を入れている。香取市は養豚が盛んな千葉県の中でも第2位の飼養頭数を誇る。地元産の「北総ポーク」のブランド化に、ひと役買おうという狙いだ。生ハムは業務提携先の彩食(東京都新宿区)に製造を依頼。熟成には2年をかけた。イチジクは地元農家の協力を得て間引きしていたものを活用。塩漬けにして酢の使用量を減らすなどの工夫を重ね、オリーブ感覚で食べられるようにした。「生ハムでピクルスを包んで食べると酒のさかなにぴったり」(吉塚社長)。来夏の発売を目指して計画を進めている。


【コメント】ボン・シェール 吉塚義雄社長
接客やおもてなしの心が重要

ボン・シェール 吉塚義雄社長

ボン・シェール 吉塚義雄社長

 私が「吉庭」をオープンした11年前は、団体の観光客が来ても「食べる場所がない」という声がよく聞かれました。今では接客やおもてなしの心といったソフト面を含め、「食」が観光客を引きつける要素の一つになったと思います。飲食店の足並みをそろえることは引き続き重要なテーマです。個人経営の店舗にとって土日や祝日に開催するイベントに参加するのは難しいです。各店舗で集客を工夫せざるを得ない現状を、少しずつ改善していかなければなりません。“食のまち・佐原”ならではの明確な特色を、さらに強く打ち出すことも重要です。

会社概要

会社名:株式会社ボン・シェール
住所:千葉県香取市佐原イ789-2
業種:飲食業
電話:0478-55-0350
URL:http://www.kittei.co.jp/