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地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

静岡県

杉・ひのきを用いた空気質改善インテリア製品

企業名 アスカム 三類型 鉱工業品 地域資源名 杉材・ひのき材(しずおか優良木材)

においの選択吸着機能

空気浄化と芳香の機能を併せ持つインテリア製品「アルーマ」

空気浄化と芳香の機能を併せ持つインテリア製品「アルーマ」

 アスカム(静岡県吉田町)は製材機械メーカーである横山鉄工(同)の関連会社で、セラミック炭製品の製造販売を手がけている。セラミック炭は粘土と木質チップを混合して焼成した多孔材。においの選択吸着機能や調湿機能を持つのが特徴だ。近年は同炭のにおい吸着機能の研究や応用製品の開発に力を入れており、信頼性向上と事業拡大に積極的に乗り出している。

 応用製品の一つが、脱臭による空気浄化と芳香の機能を併せ持つインテリア製品「アルーマ」だ。セラミック炭の働きにより、キシレンやトルエンなど揮発性有機化合物(VOC)の嫌なにおいを吸着する一方、花や果実など植物の香りはほとんど吸着しないユニークな製品。通常、活性炭はほぼすべてのにおい、香りを吸着するため選択吸着や芳香といった機能を持たせることが難しかった。

 静岡県工業技術研究所(静岡市葵区)が行ったセラミック炭と活性炭の比較試験では、VOCは両炭とも90%以上吸着するが、ヒノキの香りは活性炭が90%以上吸着するのに対し、セラミック炭は1%程度しか吸着しなかった。

 セラミック炭の選択吸着性の理由は、多孔質の穴のサイズと形状にある。穴のサイズは0.7マイクロメートル以下が多く、0.9マイクロメートル以上はほとんどない。形状は縦長のスリット状になっている。このため小さくて平板状の分子が多いVOCは吸着され、大きくて球状の分子が多い植物の香りはほとんど吸着しない。

間伐材活用で地域貢献

アロマオイルを垂らせばさまざまな香りを楽しめる

アロマオイルを垂らせばさまざまな香りを楽しめる

 横山鉄工は、地域貢献の一環として、材木の製材時に出る端材や森林の間伐材を有効活用する事業ができないかと考え、約15年前からその活用法を模索してきた。セラミック炭の開発はその取り組みが実ったもので、1997年に専用の焼成炉を導入して製造販売を始めた。販売が本格化した00年にはアスカムを設立し、現在に至っている。

 アルーマの開発は国の地域産業資源活用事業に採択された07年秋にスタート。静岡県工業技術研究所と協力してセラミック炭の材料の研究から行い、においの吸着機能と芳香機能を持たせることに成功した。外箱の材料には静岡県産ヒノキを使用。中に入れたセラミック炭は、静岡県内の杉やヒノキの間伐材が原料だ。静岡県吉田町は大井川河口の西側に位置し、大井川上流は豊富な森林資源がある南アルプスにつながっている。

 発売は09年2月。ほのかに光る発光ダイオード(LED)ライトも付いており、心も癒してくれる。価格はアロマオイル付きで1万9950円。これまでに約300台を販売しており、当面は年間1000台を販売したいと意気込んでいる。
 現在、東京ミッドタウン(東京都港区)内のアンテナショップや新宿東急ハンズなどで販売しており、手応えも上々とか。2月にはヒノキ製の外箱を持たない廉価版2機種も発売する予定で、拡販を本格化する考えだ。

株式会社アスカム・松浦紘一社長

株式会社アスカム・松浦紘一社長

【コメント】アスカム・松浦紘一社長
インテリア商品としての付加価値高める

 不況の影響で販売は若干苦戦しているが、見る人が見れば商品のアルーマの価値は分かってもらえる自信がある。総ヒノキ製の外箱は、プロの職人が手がけた木目合わせにより、一見柱をくりぬいたかのようだ。建築士にも感心された。廉価版を出すだけでなく、トップカバーのカラーバリエーションを増やすなどインテリア商品としての付加価値を高めて、拡販したい。すでに多くの雑誌などでも取り上げられていただいたが、今後もさらなる認知度向上を目指してPRしていく。

会社概要

会社名:株式会社アスカム
住所:静岡県榛原郡吉田町片岡356-1
業種:炭製品の卸売、セラミック炭製品の販売及び研究開発
電話:0548-33-0163
URL:http://www.ascam.net/