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地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

秋田県

清酒の副産物・米ぬかからGABAを生成

企業名 秋田銘醸 三類型 農林水産物 地域資源名

 清酒製造過程で生じる副産物・米ぬかの有効活用を―。酒どころ秋田県で、日本酒「美酒爛漫」の製造を手がける秋田銘醸(秋田県湯沢市)は、米ぬかから血圧抑制やリラックス効果のある機能性食品素材「GABA」を製造する技術を確立した。清酒の製造過程で生じる米ぬかに乳酸菌を加え発酵させて生成する。同技術を用いてGABAを抽出する一連の製造法は世界初という。

 玄米から清酒造りに不要な部分を取り除く精米工程では、米ぬかが大量に発生する。秋田銘醸での発生量は「毎年180トン」(菊池継夫取締役)という。米ぬかには豊富な栄養素のあることはわかっていたが、用途開発は遅々として進まず廃棄するか「玄米の約10分の1の価格」(同)で飼料メーカーに販売するしか使い道がなかった。

脂質代謝改善効果も

ギャバ含有健康サポート飲料。左から「GABAPOWERドリンク」「発芽玄米酒 GABA」「たっぷりぶどう GABAリキュール」

ギャバ含有健康サポート飲料。左から「GABAPOWERドリンク」「発芽玄米酒 GABA」「たっぷりぶどう GABAリキュール」

 発芽玄米からのGABA生成技術で先行していた秋田県総合食品研究センター(ARIF、秋田市)と共同研究に着手したのが02年。その翌年には、米ぬかを原料に乳酸発酵でグルタミン酸をGABAに変えたGABA含有量1%の「爛漫ギャバ液GBX」を開発した。米ぬかに特殊な乳酸菌を加え発酵させた後に個液分離し、1−2マイクロメートル(マイクロは100万分の1)精度のフィルターで濾過する。ARIFがもつ先行技術に加え、秋田銘醸が日本酒の醸造で長年培ってきた発酵技術が短期間での開発を可能にした。同素材を使ったリキュールなどの飲料がすでに製品化されている。

 液体タイプに加え、09年にはGABA液を粉状にした粉末タイプを開発した。粉末にすることで濃度が凝縮し、GABA含有量を10%にまで高めることに成功した。また液体より保存性に優れた粉末状にすることで利便性を向上させた。東京農業大学が行ったマウス実験では、血圧抑制効果があることが確認されたほか、ARIFのマウス実験では、内臓脂肪蓄積の抑制効果やコレステロール値の上昇を抑える効果が出た。脂質代謝を改善する効能が検証されたことから、ペットフードへの利用なども提案している。

"爛漫"ブランドと"認定事業"の相乗効果

GABA粉末タイプ

GABA粉末タイプ

 GABAの開発は米ぬかの有効利用のほかにも、思わぬ副産物を生んだ。秋田銘醸は1922年の創業以来、日本酒の製造のみを生業としてきた。日本酒の販売ルートは確立しており、"楽な"営業でも売り上げを維持することはできた。しかし、「GABAは素材であり、完成商品の日本酒とは販売ルートも違えば、販売方法も異なる」(同)。GABA素材を使った商品企画からマーケット調査まで、取引先と「ゼロからのキャッチボールが必要」(同)となり、今まで以上にコミュニケーション能力が要求される。

 従来の営業方法が通用しづらい状況の中で効果的だったのが、"爛漫"ブランドで長年培ってきた信頼と、「地域産業資源活用事業計画」に認定された信用力だ。「『認定事業』ということで与信力がつき、GABA素材の案内しやすくなることもある」(同)という。

 GABA関連製品の売り上げは年間約3000万円で、売り上げ構成比では約3%という。今後も、脂質代謝改善効果などの新機能の発見を中心に研究を重ね、早期に売り上げ構成比5−6%台にもっていく方針だ。

秋田銘醸 大友理宣製造部製造課研究室長

秋田銘醸 大友理宣製造部製造課研究室長

【コメント】秋田銘醸 大友理宣製造部製造課研究室長
露出度高め、海外へ売り込み

 国内のGABA関連市場は、すでに飽和状態にある。その一方で、香港や台湾、東南アジアでは健康志向の高まりを背景に、GABA製品の需要が高まっている。海外では、信頼性から"Made in Japan"のGABA素材が注目されている。商機を逸しないためにも、展示会に出展するなどして露出度を高め、海外への売り込みをしていきたい。

会社概要

会社名:秋田銘醸株式会社
住所:秋田県湯沢市大工町4-23
業種:酒造業
電話:0183-73-3161
URL:http://www.ranman.co.jp/