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地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

香川

藍から抽出した天然成分配合の石けん

企業名 藍色工房 三類型 農林水産物 地域資源名
藍色工房・坂東未来社長

藍色工房・坂東未来社長

藍と運命的な出会い

 2005年11月に坂東未来社長が藍色工房を設立したきっかけは、肌荒れ解消法の模索からだった。藍染め石けんの製造販売は、身近な生活の悩みを解決するためだったという。

 坂東社長は「夫の肌荒れを治すために、ハーブが入った石けんを探していた」と振り返る。ハーブ石けんにとどまらず、世界中のあらゆる石けんを取り寄せ、肌荒れへの効果を探っていた。そんな折り、徳島県吉野川市の実家で見つけたのが「薬草辞典」。

 50音順の薬草説明の最初に記載されていたのが「藍(あい)」だった。実家は藍農家を営んでいたことから、まさに運命的な出合いを感じた。こうして藍を配合した手作り石けんの試作が始まった。

産学連携も視野に

 藍の葉を石けんにブレンドする過程で苦心したのが、石けんを藍色にする工程だ。藍のもつ鮮やかなインディゴ色と石けんの清潔感を表す白色とのグラデーションをつくろうとした。失敗を重ねながらもようやく納得のいく藍色石けんが仕上がった。

 藍色工房の藍色石けんは、坂東社長自ら直面することとなった肌の悩みの解決のため、自然のままの素材を使っている。これがセールスポイントで環境に優しく、合成着色料や合成保存料は一切使用していない。

藍から成分を抽出して、手作り石けんに配合。藍には、殺菌・消毒に加え、炎症を抑えたりアレルギーを緩和させたりする働きが期待されている

藍から成分を抽出して、手作り石けんに配合。藍には、殺菌・消毒に加え、炎症を抑えたりアレルギーを緩和させたりする働きが期待されている

 最近、藍がアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患に対して治療効果があることが弘前大学の北原晴男教育学部准教授(天然物有機化学)や花田勝美医学部教授(皮膚科学)らの共同研究で明らかになった。これを受けて同社は弘前大や地元の徳島大学とも研究開発面での産学連携を視野に入れる。

 フロント商品である藍色石けんが軌道に乗り、藍色を使った生活関連商品の構成を拡大できるようになった。タオル、ハンカチは藍色ならではの鮮やかで濃い色合いで高級感を演出する製品。石けんも藍色石けんのほかに「和三盆シリーズ」と称したサトウキビを原料にした高級和菓子用の和三盆糖を使ったものも展開している。

海外展開のチャンス探る

 藍色工房の礎となる「藍」は、徳島県の特産品。藍の歴史は古く、すでに戦国時代には武将たちが甲冑の下に藍染めの肌着を身に付けていたという。さらに、現在でも和の素材感が味わえることが海外でも評判を呼んでいる。07年の東京インターナショナルギフトショーに出展するなど「需要とチャンスがあれば、今後は海外にも進出する」(坂東社長)計画だ。

 社名は「夫が付けた」と笑う坂東社長。「今では気に入っている」とインディゴ旋風を巻き起こすべく、製品開発に商品の売り込みにと走り回る。

【コメント】坂東未来社長
伝統守る対策必要

 製品の基幹を成す「藍」の染料をつくる藍師が減少している。後継者不足などで、現在では数人が名を連ねるばかりだ。染め物の命とも言える染料を生み出す藍師の存在は、藍の伝統そのものを表すだけに、今後の対策が必要であろう。

 藍色石けんをはじめ、関連商品は展示会出展などの効果もあり、婚礼用の引き出物などギフト関係の引き合いが増えている。藍染めタオルでは愛媛県今治市の工房と砥部焼(愛媛県)の石けん置きなど異業種とのコラボレートも積極的に推進していきたい。

 香川県は湿度が全国平均より約3%低い土地柄。このため60日かけてゆっくり乾燥、熟成させる手作り石けんの製造には最適の土地。これからも「藍」を通じて、満足してもらえるモノづくりにこだわりたい。

会社概要

会社名:有限会社藍色工房
住所:香川県高松市林町2217-44
業種:藍染め雑貨などの製造販売他
電話:087-897-3501
URL:http://aiironet.com/