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農水省、地産エネで植物工場−全国6カ所で実証実験

 農林水産省は北海道、富山県、宮崎県、高知県、静岡県、兵庫県の全国6カ所で木質バイオマスなどのエネルギーを用いた「次世代施設園芸」の実証実験を3月末に始める。各地域にイチゴやトマトなどの植物工場と木質チップボイラ設備などを建設し、化石燃料の使用量や燃料費を30―50%程度引き下げる方法を研究する。期間は2015年度末までの約2年間を予定。天候に関係なく野菜や果物を安定栽培できる次世代施設園芸で、課題となっていたエネルギーコストの低減を狙う。

 北海道苫小牧市はイチゴ、富山市はトマトとトルコギキョウ、宮崎県国富町はピーマンとキュウリ、高知県四万十町と静岡県小山町、兵庫県加西市がそれぞれトマトを栽培する。

 苫小牧市では面積2ヘクタール規模の太陽光利用型植物工場を2棟建設し、イチゴの選果、貯蔵、出荷調整を行う設備、完全人工光型苗生産施設を整備。 さらに木質チップを燃料としたボイラを設けて熱を供給、従来に比べ化石燃料使用量を31%、燃料費を39%それぞれ削減する。木質バイオマスエネルギーの利用に加え、ミスト(霧)を使った冷房や植物成長を左右する二酸化炭素(CO2)の制御技術も併用しエネルギーコストを引き下げる。

 ほかの地域でもそれぞれ園芸施設やエネルギー供給施設、集出荷施設、種苗生産施設を建設する。施設は地元農業法人や民間企業、自治体などのコンソーシアムが運営する。

 また、富山市では情報通信技術(ICT)を活用した温室内環境制御技術も研究する。トルコギキョウの開花時期などの調整に生かす。

 高知県四万十町では県園芸連の物流システムを活用した市場出荷や、四万十川の知名度を生かしたブランド化も予定。付加価値を付けることで採算性の向上につなげる。


【2014年2月27日 日刊工業新聞社】