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昨年の農水産物・食品輸出額、過去最高の5506億円−県の枠超えた連携不可欠

 日本の農林水産物・食品の輸出額が、2013年は前年比22.4%増の5506億800万円と大きく伸び、84年の5327億5400万円を抜いて過去最高となった。東南アジア諸国連合(ASEAN)や北米への輸出が伸びたことや、円安効果が幸いした。農林水産省は20年までにこの輸出額をさらに1兆円に増やす目標を掲げている。達成には原子力発電所事故による外国の食品輸入規制撤廃に国を挙げて取り組むとともに、青果物や和牛を中心に「ジャパンブランド」のPRや、県の枠を超えた連携を進めることが不可欠になる。(編集委員・嶋田歩)

 「震災や原発事故の逆風を経ても輸出増加を達成できたことは大変、喜ばしい。これで弾みをつけ、1兆円の次期目標にまい進したい」。12日の閣議後会見で林芳正農林水産相はこう述べた。

 13年の輸出額の品目別内訳や国別内訳を詳しくみると、品目では北海道などのホタテ貝輸出と青森県などのリンゴ輸出が突出。ホタテは前年比約2・1倍の398億円、リンゴも同2・1倍の72億円だった。農水省輸出促進グループは「ホタテ貝は不漁による米国の需要増、リンゴは台湾や香港向けに春節の需要が伸びたため」と説明する。和食に関連するしょうゆの伸びは前年比16%増、日本酒は17%増、牛肉は14%増だった。国別ではASEANのベトナムが同36%増の293億円、タイも同29%増の344億円。北米も同20%増の896億円となった。

 国別で割合の高い国・地域は香港や台湾、中国、韓国だがこれらの国はいずれも原発事故で日本食品を輸入規制している。香港や台湾は福島、茨城、栃木、群馬、千葉の5県の産品で輸入規制をしている。これの影響について農水省は「例えばイチゴで産地間リレーを行う場合、福岡県産のあまおうは問題ないが栃木県は禁止になっているためとちおとめを輸出できないのがネックになっている」と明かす。

 輸出額を1兆円に向けさらに拡大していくためには、道府県を超えた産地間連携や共同PRが欠かせない。出荷時期が限られるイチゴなど青果物ではこの点が顕著だ。輸出額が増えないケースのほとんどは、現地のスーパーなどの棚を占める時期が限られるため、日本フェアなどで一時的に売り上げが伸びてもその後“定番化”できない例。日本産品が去った棚は、現地の農産物や他国の産品に置き換えられる。

 牛肉に関しては豪州産の“WAGYUブランド”が売り上げを伸ばしている。これについて同省は「各県の担当者や団体と意見調整し、ジャパンブランドの統一マークをつけて本物の味の違いをPRしていきたい」と話す。松阪牛、神戸牛などと地域別の取り組みではPR予算も限られてしまう。同省はこのほか、現地に進出している外食企業との連携も模索している。


【2014年2月13日 日刊工業新聞社】