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水産庁、ウナギ稚魚量産で異分野技術融合−産学からアイデア公募

 水産庁は2014年度から民間企業などと共同で、ウナギの養殖に使う稚魚の大量生産システムの実証事業に乗り出す。期間は16年度までの3年間を予定。これまでのウナギ研究の生物学的アプローチによる技術開発成果に加え、工学やIT、バイオなど異分野の技術を導入し商業ベースで稚魚の大量生産の道を探る。稚魚のシラスウナギの不足と高騰が続き、小売業界や外食業界は対応に苦慮している。稚魚の生産技術を早期に確立させ、国産化と低価格化につなげる。

 ウナギはかば焼きなど国民的に人気が高く、安定供給に向けた完全養殖技術の期待は大きい。これまでに水産総合研究センターが人工ふ化させたウナギを親ウナギに成長させ、卵から稚魚を育てる技術に成功。しかし生存率が低いことや飼料代、光熱費、多額の設備投資など課題が多く、商業ベースに乗せるにはまだ多くの時間が必要とされる。

 こうしたことから民間企業と共同で研究を行い、給餌システムや換水、残餌処理などでアイデアを募る。さらに実証実験でそれらが有効かを検証する。

 水産庁はウナギの稚魚の大量生産に関する実証事業として、14年度予算に2億5000万円を盛り込んだ。14年4月から民間企業、研究機関や大学などを対象に公募をかけ、同6月にも事業対象者を決定したい考え。民間企業は水産会社や飼料メーカー、プラント設備メーカーのほか、小売り・流通業者やバイオベンチャーなどを想定する。

 同庁では「ウナギ養殖のコストを引き下げるには稚魚の生存率を上げる方法以外に細胞技術や温度管理などがあるほか、品薄な時期に出荷して通年化を図る方法もある」(研究指導課)とし、異分野から幅広くアイデアを募る。


【2013年12月30日 日刊工業新聞社】