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福島ビジネス/ブランド百景−会津地鶏

 会津地鶏の肉は柔らかく、ほどよい弾力もある。赤みが強い肉をかむたびにうま味がじゅわりとあふれ出す。きつね色に焼き色が付いた皮からは香ばしい香りとともに、脂のうま味、コクがにじみ出す。会津地鶏の良さを最大限に引き出す塩加減と相まって口の中は幸福感で満たされた。

 絶滅危惧種の純系会津地鶏を改良したのが「会津地鶏」だ。平家の落人が美しい姿を楽しむ愛玩用として会津地方に持ち込んだという。黒く瑠璃色に光る長い尾羽は、400年以上前から郷土芸能「会津悲願獅子」の獅子頭に使われてきた。軍鶏由来の地鶏が多い中、会津地鶏の祖先は尾長鶏などの観賞鶏だ。だから、肉が柔らかい。

 出荷するまでの飼育期間は約110日で、ブロイラー鶏の55―60日の倍の日数が必要。卵も半分ほどしか産まない。肉100グラム当たりの価格はブロイラー鶏に比べて約4倍、卵も1個40―50円と値の張る高級食材だ。

 6割が首都圏、4割が会津地方や隣県で消費されている。最近は首都圏の有名ラーメン店が会津地鶏の鶏がらにほれて、切り替えたそうだ。喜多方ラーメンや白河ラーメンのスープも会津地鶏で仕込む店が多く、ご当地ラーメンを支えてきた。

 会津地鶏は雛とエサの供給源を一元化することで、品質を安定的に管理してきた。07年に会津地方の養鶏家や流通業者18団体が、会津地鶏ネット(福島県会津若松市)を設立し、肉質の統一、加工品の生産、ブランド化を担ってきた。

 会津地鶏の生産数は年間10万羽。会津地鶏ネットの関澤好春常務は「早々に20万羽を目指したい」と、秋田県の比内地鶏や愛知県の名古屋コーチンに並ぶ全国区の地鶏に育てる考え。会津の豊かな自然を体現した美しい地鶏が全国に羽ばたこうとしている。


【2013年12月19日 日刊工業新聞社】