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変わる名古屋駅−リニア見据え都市力高める

 2027年のリニア中央新幹線開業を見据え、名古屋駅一帯の再開発構想が本格化してきた。名古屋市は13年度内にまとめる同駅周辺の街づくり構想の素案に、各交通機関の乗り換えを円滑にするコンコース「ターミナルスクエア」の新設など、再開発構想の具体案を盛り込む方針だ。リニアの開通で東京に人やカネ、情報などが吸い寄せられる“ストロー現象”を防ごうと、地元経済界や鉄道事業者らが一丸となり、「オール名古屋」で知恵を絞る。(名古屋・杉本要)

 二つの高層ビルを冠し、地域では“名駅(めいえき)”の愛称で親しまれる名古屋駅。同駅はいま、空前のビル建設ラッシュに沸く。

 駅の東側わずか約500メートル四方の空間で、JR東海、日本郵政、三菱地所、トヨタ自動車グループがそれぞれ新ビルを建設する計画。一部はすでに着工し、いずれも15―16年ごろに完成する見通しだ。「名駅周辺で四つのビルが同時に建設されるのは過去にない」。市住宅都市局幹部も驚きを隠さない。

 当然、同駅周辺の街づくりの“本丸”は、27年のリニア開業だ。ビルの新築・建て替えにとどまらず、リニア開業を機に名古屋駅と周辺の景観や人の流れを変え、都市の魅力を高めようとする構想が進む。その具体案を議論するのが、市が12年に立ち上げた懇談会「名古屋駅周辺まちづくり構想懇談会」(奥野信宏座長=中京大学教授)だ。

 11月に開かれた第4回会合で、市は街づくり構想素案に向けた中間案として「骨子」を公表。現在は分散している各鉄道の乗り換え動線を直線的につなぐターミナルスクエア整備や地下街の南側への延伸、名古屋城や繁華街の栄地区と名古屋駅を結ぶ次世代型路面電車(LRT)整備などを盛り込んだ。

 リニア開業に備えた魅力ある街づくりは、名古屋にとって最も重要な課題だ。リニアは14年に着工する。東京と名古屋を40分で結ぶ超特急の登場で人やモノ、カネの移動が容易になり、東京集中が一段と加速するとの指摘は根強い。

 河村たかし名古屋市長は12月初めの定例会見で、リニアを見据えた街づくりを「最重要(政策)のひとつ」と表現。さらに「東京からの逆ストロー現象を起こすような魅力ある街をつくる」と意気込んだ。実際、都市の活性化を強力に推進したいとして、12月16日付で住宅都市局に局長級ポストを新設。リニア関連整備室の陣容も厚くした。

 市は13年度末に予定する懇談会の第5回会合で「街づくりの事業費や事業の推進体制などの試案を示す」(まちづくり企画部)としている。ただ、既存の地下街や地権者などとの話し合いはこれからで、難航も予測される。名古屋市の司令塔としての機能が試されている。


【2013年12月18日 日刊工業新聞社】