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石川県産業創出支援機構、首都圏へPR活動本格化

 石川県では2015年3月の北陸新幹線の長野―金沢間の開業に向け、首都圏へのPR活動が本格化している。石川県産業創出支援機構(ISICO、金沢市)は県内の食品や工芸品、生活用品などの関連企業を首都圏でPRする展示会を拡充する。金沢市内の主要8ホテルで構成する金沢ホテル懇話会は、共同プロジェクトとして宿泊プランや土産品の開発などを進めている。(金沢支局長・市川哲寛)

 北陸新幹線は東京―金沢間を約2時間30分で結び、現在の在来線利用より約1時間20分短縮される。石川県は古都・金沢の工芸品や菓子、県内に点在する温泉地など、もともと観光資源を多く有する。それだけに、交通が便利になれば来訪客の増加が期待できる。

 ISICOは県内企業の名産品を紹介するイベント「石川のこだわり商品フェア」を14年3月に初めて東京の百貨店で開く。毎年金沢で開いているイベントを東京でも開催し「石川県のイメージを浸透させ、新幹線での来訪客を増やす」(斉藤直ISICO副理事長)のが狙い。またイベントでは首都圏の消費者から生の声を聞き取り、各社の製品改良につなげる。

 13年9月に出展した生活雑貨などの国際見本市「東京インターナショナル・ギフトショー」では初出展6社を含む18社が加賀友禅や輪島塗などを百貨店や卸売業者などのバイヤーに売り込んだ。この展示会には県内の中小企業を募り、06年度から毎年出展している。今回はブースを石川県の伝統や格式を感じさせる黒を基調として目立たせた。多くのバイヤーが訪れ、出展企業の商機につながった。

 ISICOは4月、東京都千代田区にある中小企業支援拠点の石川県ビジネスサポートセンターに常駐の販路開拓アドバイザーを置いた。「新幹線開業記念商品や観光客誘致につながるアプリケーションの開発が増えてくるだろう」(同)と県内中小企業の首都圏への拡販を支援する。

 一方、旅行業界も新幹線開通を大きなビジネスチャンスとして、来訪者増につながる取り組みを始めた。金沢ホテル懇話会は各ホテルの社長や総支配人で構成するプロジェクトチーム「金沢八家」を結成、8カ所のホテル共通の宿泊プランや土産用菓子の開発などに着手した。庄田正一会長は「サプライズやエピソードのあるおもてなしで観光客を大満足させ、リピーターを増やしたい」と意気込む。

 新幹線が開通すれば、首都圏を訪れた海外観光客が石川県を訪れやすくなる。このためアジアの旅行会社などへのPR活動も実施。これまで台湾やタイに出向いたほか、14年はシンガポールやインドネシアでPRする。

 北陸新幹線は金沢開業から10年後をめどに福井県敦賀市まで延伸される計画。延伸時に通過地域とならないために行政も民間も今のうちに観光産業を確立する考えだ。


【2013年11月27日 日刊工業新聞社】