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農水省、薬用作物の栽培後押し−中国集中リスク是正

 農林水産省は2014年度からの新規事業として、農家による漢方薬原料となる薬用作物の栽培を支援する。品種選定や栽培マニュアルを作成。農場設置や農業機械改良などにかかる費用の2分の1以内を援助する。漢方薬メーカーが調達する薬用作物は、8割以上を中国に頼っているのが実情。国内農家に薬用作物栽培を促すことで一国集中のリスクを是正すると同時に、耕作放棄地の活用や中山間地の活性化にもつなげる考えだ。

 薬用作物の主なものはカンゾウ、シャクヤク、ケイヒ、センブリ、キハダなど。カンゾウは漢方薬以外に食品の甘味料にも使われており、使用される量のほぼ100%を中国から調達している。

 農水省によると、漢方薬市場は直近の5年間で医薬全体の3倍近い伸びがあり、中国が植物の乱獲防止のため輸出制限を課していることもあり輸入価格が上昇。このため「国産品は中国品に比べ価格が2―3倍と高いが、医薬品メーカーは国産品の比率を増やしたい意向を強めている」(農水省)という。

 こうした成長性や市場ニーズを背景に、薬用作物の国内栽培を後押しする。

 ただ、コメや野菜などの作物と違い、薬用作物は種子や苗がどこで入手できるのか、栽培法はどうなのかなど農家にとって分からないことも多い。さらに、農薬の種類や散布回数にも制限がある。農家や農業法人が栽培を始める場合には、こうしたところから手を付けなければならず、これらの費用を農水省が援助する。

 また、厚生労働省と連携して漢方薬メーカーの需要情報の取りまとめや情報提供も手がける。12年11月には厚労省と共同で「薬用作物に関する情報交換会」を設立。今後は同会を通じて作物種類別の栽培研究会なども立ち上げたい考えだ。


【2013年10月18日 日刊工業新聞社】