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ブランド百景−ふくしま餃子の会

 夕刻、「餃子(ぎょうざ)の店 山女」の看板に明かりがともると仕事帰りのサラリーマン、老夫婦や若いカップル、常連客らが次々とのれんをくぐり、15席ほどのカウンターが5分で満席になった。1日に約1200―1300個を仕込むが、週末にはわずか2時間半で売り切れることもある。

 ギョーザは福島市民の“ソウルフード”。丸くフライパンに並べて焼き上げる円盤餃子が特徴。野菜多めのギョーザから肉ギョーザ、ニンニクの利いたギョーザと店ごとに趣向を凝らす。独自のタレも多い。ルーツは宇都宮餃子や浜松餃子と同じ中国東北部からの引き揚げ者にあるが、食べ方で一線を画す。

 「ふくしま餃子の会」は、福島餃子を地元の名物にしようと2003年3月11日に結成した。ギョーザ教室やテーマソング「ギョーザの神様」、ご当地アイドル「餃子っ娘」などのアイデアで商店街を盛り上げてきた。現在は17店舗が加盟しており、山女の高橋豊社長が会長を務めている。

 高橋社長は「福島餃子は『夜のギョーザ』。酒を飲みながら一日の疲れを癒やし、明日への英気を養う」と笑顔をみせる。東日本大震災後は復旧関連工事で働く人たちが足を運び、福島のご当地グルメとして口コミで全国に広がった。

 山女のお客さんが注文するのは一皿20個入りの焼きギョーザ、そしてビール。高橋社長が慣れた手つきでギョーザを焼きつつ、しょうゆとラー油、酢を合わせたタレをお客さんに手渡す。数分後、多めの油でこんがりときつね色に焼き上がったギョーザが目の前に置かれた。熱々をほおばるとサクサクと小気味よい音と一緒に野菜と肉の甘みが口に広がった。


【2013年10月17日 日刊工業新聞社】