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ブランド百景−仙台箪笥

 木目の美しさを際立たせる漆塗りと豪華な飾り金具―。「仙台箪笥(たんす)」には200年以上の実用に耐える力強さと気品が漂っている。

 「仙台箪笥は注文を受け、予算に合わせて作る“誂(あつら)えもの”として生まれた。丁寧に扱えば数百年間使える」。仙台箪笥協同組合の湯目一潔代表理事はこう胸を張る。大きさは幅4尺(約120センチメートル)、高さ3尺(約90センチメートル)で、材料にはケヤキやクリなどを使う。最高級品は一棹数百万円はくだらない。指物師と金具師、塗り師が技の粋をつぎ込むからだ。滑らかな引き出しの開閉に、指物師の手業が光る。

 日本の皇族はもちろん、米国のマッカーサー元帥らも愛用した。世界中に愛好家がおり、フランスには仙台箪笥専門の骨董(こっとう)品店があるほどだ。しかし、職人がこだわればこだわるほど高額になる。消費が鈍り、結果的に職人の仕事がなくなる原因になった。大正末期の最盛期には700人いたが、現在は30人に減った。高齢化も進んでいる。

 このため同組合は価格を抑えた「仙台小箪笥」を開発した。塗り、金具、機能の三拍子は守りつつ、既製品の金具などの採用でコストダウンを図った。価格は16万6000円からだ。「最近になって『仙台小箪笥を孫娘に贈りたい』といった顧客が増えてきた。時代の求めに応じながら、親から子、子から孫に代々受け継がれる伝統の品を守りたい」。仙台小箪笥には湯目代表理事らの願いが込められている。


【2013年10月3日 日刊工業新聞社】