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ブランド百景−創作こけし

 創作こけし生産量で日本一の群馬県。最大手の卯三郎こけし(群馬県榛東村)では、愛らしいキャラクターをかたどったこけしが人気だ。1950年の創業以来、新たな発想でデザインや形状、生産手法、販路に変化を加えている。伊香保温泉街から車で約20分の場所に直営所と工房がある。13年に入って従業員を増員し、1日800個を生産している。それでも納品まで1カ月待ちの状態だ。

 「日本一のこけし工房にしたい」。創業した初代岡本卯三郎の意志を、二代目の岡本有司社長が継ぐ。初代の孫で三代目の岡本義弘さんは「高品質と価格を両立するため、いち早く自動化に取り組んできた」と胸を張る。例えば材料であるクリの木の研磨。以前は2種類の紙ヤスリによる手作業だったが、作業者によって品質にバラつきが出ないように特殊機械で自動化した。工房の随所に工夫がある。

 伝統的なおかっぱ頭のこけしは、京都や浅草の小売店で外国人観光客の売れ筋。一方、東日本大震災後に観光客が減った影響を補ったのは、約6年前から力を入れているキャラクター商品だ。市場開拓を狙って参加した展示会で企画会社の目にとまり、「ミッフィー」や「ドラえもん」などのこけしを商品化した。若年層や女性に客層を広げ、観光客の変動にも左右されにくくなった。

 県のこけし協同組合の加盟者はピーク時に100社あった。現在は30社に減り、後継者不在も顕著だ。だが義弘さんは、弟でアパレル出身の弘行さんと協力し、「創作こけしの文化、技術を残したい」と決意をにじませている。


【2013年9月5日 日刊工業新聞社】