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ブランド百景−丸和信和建設「標津サケぶし」

 北海道標津町はアイヌ語の「シベ・ツ」(サケのいる所)が語源。この“サケの町”に3年前、地元産サケを原料とした「標津サケぶし」が誕生し、着実に売上高を伸ばしている。ふ化事業用にイクラを採取した後の利用価値がないブナサケを使っており、未利用資源の有効活用にもつながっている。

 きっかけは5年前に結成された異業種交流会、美しい村標津産蕎麦作り研究会。「独自のおいしいそばつゆも作ろう」との発想から、サケの利用へと発展した。その活動は成就し、年1回のそばまつりで町民に振る舞うまでになった。

 製造を担当し、事業化の主体になっているのが研究会代表の田村正範氏が社長を務める丸和信和建設だ。静岡県焼津市の老舗鰹節メーカーから手作りの伝統製法「手火山づくり」の技法を1年かけて習得。倉庫を工場に改装し、製造を始めた。

 サケぶしは道内数カ所で事業化されているが、手作りしているのは標津だけ。田村社長は「これが強みであり、ブランド化にも有効」と強調する。うま味、甘味が濃く、生臭さがないのが特徴だ。研究会のメンバーと連携して販売。こだわりを重視する飲食店や小売店からの評価がジワジワと高まっており、道外への出荷も増えている。

 2010年度は売上高1100万円だったが、12年度は3倍超の同3900万円に増加。13年度は同5000万円を見込む。7月に工場を増築し、生産能力を3倍に増強した。安定需要が見込める業務用を中心に海外市場も視野に入れて販路を開拓する。田村社長は「一過性にはしたくない」と、標津発の継続に意欲をみせる。


【2013年8月29日 日刊工業新聞社】