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九州リポート/九州7県あの手この手PR戦略−観光・県産品・企業誘致に熱気

 九州7県のPR活動が熱気を帯びている。熊本県の「くまモン」が圧倒的な人気を誇るが、他の自治体も負けじと「ゆるキャラ」を擁立。一方で地域資源活用に工夫を凝らす自治体もある。九州は各県に特色があり差別化しやすい半面、それぞれ自己主張の強い激戦区でもある。観光誘客だけでなく、県産品販売や企業誘致に関わる重要分野だけに力が入っている。(西部・三苫能徳)

 ゆるキャラの代名詞ともなった熊本県の「営業部長」くまモン。アジアや欧州進出も果たし、2012年の関連商品売上高は前年比11.5倍の293億円にのぼった。許可を受ければキャラクター利用はほぼ自由で、知名度と関連商品人気が相乗効果を生んでいる。利用許諾件数は現在も県内外で増加。対価を取らず拡散を目指した営業部長の「一人歩き」が成功に貢献したかたちだ。

 キャラクターといえばタレントとしての知名度があった宮崎県の東国原英夫前知事は全国に宮崎ブームを起こした。後任には新キャラクター「みやざき犬」が就いた。官民共同の「オールみやざき営業チーム」推進事業とともに、ブーム定番化と家畜伝染病・口蹄(こうてい)疫からのイメージ回復を図る。

 大河ドラマでPRするのは福岡県。14年の主人公である福岡藩祖・黒田官兵衛の「ゆかりの地」を強力に打ち出す。4月に福岡市など関係市町村や福岡商工会議所などと協議会を発足、イメージキャラクターも発表した。今後は福岡市の「福岡黒田武将隊」と協力して露出を増やす。

 熊本と観光人気でしのぎを削る鹿児島県。キャラクターでは黒豚をイメージした「ぐりぶー」を推す。もともと11年に開催したイベントのマスコットだったが、人気が高く12年に県のPRキャラとして復活。こちらも許諾申請すれば商用利用が可能で、13年度の申請件数は県外約40件を含めて92件(8月6日時点)だった。今後の人気の伸びに期待がかかる。

 キャラクターによるPRの一方、香川の「うどん県」のような地域資源を押し出す手法もある。「日本一のおんせん県おおいた」を旗印にツーリズム戦略を推進するのは大分県。別府や由布院をはじめ温泉の源泉数・湧出量ともに日本一だ。「おんせん県」の商標登録は特許庁に認められなかったが、ロゴを使った観光商品などが増えて認知度も高まっている。

 佐賀県は7月に「コラボ県」を名乗る情報発信事業を開始。有田焼やノリなど特産品を全国の企業とコラボレーション(協業)して県の知名度アップを狙う。「東京で存在感がない」(古川康知事)という課題克服に向けて、東京の30代女性と接点づくりを目指す。

 長崎県は長崎市の稲佐山から臨む夜景が「世界新三大夜景」に認定され、7月に夜景と世界遺産候補を盛り込んだ観光キャッチフレーズを作成。「ひかりと祈り 光福(こうふく)の街」をうたい、観光客の呼び込みを図る。


【2013年8月16日 日刊工業新聞社】