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地域資源活用チャンネル

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ブランド百景−上田紬

 紬(つむぎ)は生糸に適さない繭から引いた糸を使った織物。長野県上田市などを中心に生産される上田紬は、茨城の結城紬、鹿児島の大島紬と並ぶ三大紬の一つ。上田商工会議所や信州大学繊維学部、上田紬織物協同組合などは、化学繊維の普及や安い糸の輸入で衰退していた上田紬を伝統産業として復活させようと「カイコと繭と紬のまち、上田地域伝統産業活性化プロジェクト」を始めた。

 中小企業庁の「地域力活用新事業∞(無限大)全国展開プロジェクト」に採択された事業で、地域資源を活用した新事業の掘り起こしによる全国展開を目指す。プロジェクトの一つとして取り組むのが養蚕(ようさん)業の復活。今は上田市に養蚕農家はなく、糸の多くは中国やブラジルから輸入する。

 「地元産の生糸で織る上田紬」を目指して4月に「蚕飼姫(こがいひめ)プロジェクト」を始めた。信大繊維学部内の桑畑や施設を使い、地元からボランティアを募って6万匹の蚕(かいこ)を飼い、繭まで育てた。6月には約80キログラムの繭を収穫し、現在は県内の製糸所で生糸に仕上げている。生糸にすると15キログラム程度になる見込みで、紬織物協同組合の会員企業が製品にする予定。どんな製品にするかは検討中という。上田商工会議所の小山田秀士理事は「秋にも少量だが繭の生産を計画しており、新たなボランティアを募集する予定」という。

 養蚕の復活と並行して上田紬を使ったプレタポルテ(高級既製服)の試作やタブレット端末(携帯型情報端末)を使った紬の見本帳の製作、養蚕の観光資源を活用したツアー企画の検討も進め、伝統産業を生かした地域活性化に力を入れる。


【2013年7月25日 日刊工業新聞社】