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訪日外国人数1000万人−オールジャパンで目標達成

 観光で日本を訪れる外国人数が順調に伸びている。5月の訪日外国人数は前年同期比31・2%増の87万5000人となり同月としては過去最高となった。7月に東南アジア5カ国の観光査証(ビザ)発給要件を緩和。政府は観光を成長戦略の柱の一つと位置づけ、2013年の訪日外国人数を前年比19・5%増の1000万人とすることを目標に掲げている。今後は観光ビザ発給要件の緩和を追い風に関係機関の連携を深め、目標達成を目指す。(高屋優理)

【綿密に連携】
 国土交通省が訪日外国人数目標を年間1000万人としたのは10年。しかし、東日本大震災や円高、尖閣諸島をめぐる中国との関係悪化から思うように伸びず、10年は約861万人、11年は約621万人、12年は約835万人にとどまっている。
 潮目が変わったのは12年末の政権交代だった。安倍晋三内閣は成長戦略の一環として、訪日外国人増加に向けた施策を打ち出した。3月には「観光立国推進閣僚会議」を開き、国交省、外務省、法務省、警察庁などの関係省庁の副大臣らによる作業部会を設置。関係する省庁が綿密に連携する体制を整えた。会議ではビザの発給要件緩和や日本の魅力をどのように発信するかなど、具体的な取り組みについて検討が行われてきた。

【目標達成に直結】
 同会議がまとめた「観光立国実現に向けたアクション・プログラム」では東南アジア各国のビザ発給要件を緩和することが盛り込まれ、目標達成に直結する施策だけに期待が高まっている。
 1日に観光ビザの要件が緩和された東南アジア5カ国のうち、タイとマレーシアは3年間の有効期間内に何度でも入国できる数次ビザだが、短い滞在なら、ビザを免除する。一度しか入国できない一次ビザのベトナムとフィリピンは数次ビザを発給する。本格的な観光シーズンを迎え、ビザを緩和したことで訪日外国人数目標の達成を狙う。

【韓国に追いつく】
 日本の外国人観光客の数は現状で世界30位、アジアでも8位と低迷。韓国は12年に1100万人を超え、日本に先行している。東南アジア向けのビザ発給要件緩和は、韓国の要件と同等にした。「まず韓国に追いつく」(井手憲文観光庁長官)ことが大きな目的になっている。
 観光庁は日本政府観光局、経済産業省、日本貿易振興機構(ジェトロ)と訪日外国人数拡大のため共同行動計画を策定した。観光庁の「ビジット・ジャパン」、経産省の「クール・ジャパン」、ジェトロの「インベスト・ジャパン」など、これまでバラバラに行っていた外国人誘客のキャンペーンを連携させてシナジーを生み出す方針。関係する省庁や団体などによる「オールジャパン」での目標達成につなげたい考えだ。


【2013年7月2日 日刊工業新聞社】