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引退車両で町おこし−わたらせ渓谷鉄道・真岡鉄道、展示施設オープン

 引退した鉄道車両を活用して町おこしを―。北関東で営業する第三セクター鉄道2社が27、28の両日、古き良き時代の鉄道車両の公開を始める。間藤駅(栃木県日光市)―桐生駅(群馬県桐生市)間を運行しているわたらせ渓谷鉄道(みどり市)は、3月末に引退した「わ89―101号」の静態保存を決めた。27日に大間々駅(同)でお披露目式を開く。28日は下館駅(茨城県筑西市)と茂木駅(栃木県茂木町)を結ぶ真岡鉄道(真岡市)が、指定管理者になっている蒸気機関車の展示施設「SLキューロク館」を真岡駅東口に開館する。(栃木・江上佑美子)

 わたらせ渓谷鉄道の101号は富士重工業製の軽量ディーゼル車。JR足尾線を引き継いだ1989年から運行していた。同型車両を計5両保有していたほか、全国で第三セクター鉄道が導入していたが、老朽化で順次廃車となっている。

 保存のための事業費630万円は、企業の寄付と群馬県の補助金でまかなった。101号の外装を開業時のツートンカラーに復元。大間々駅(みどり市)内に60メートルの軌道も敷設した。15年3月以降、「わ89―302号」も保存する予定。年間2万人の集客を見込む。樺沢豊社長は「地域やファンから保存を求める声が多かった。イベントなどを通じ、地域活性化や公共交通の利用促進につなげたい」と意気込む。

 真岡鉄道は真岡市の委託を受け、SLキューロク館を運営する。目玉はSL9600形の動態展示だ。1920年に川崎造船所(現川崎重工業)が製造し、北海道の機関区で活躍した。76年の廃車後は真岡市の井頭公園内に36年間静態保存されていた。しかし、ボイラや動輪の状態が良いため、圧縮空気を動力源にして走行できるように整備した。日曜・祝日にSLキューロク館南側の駐車場内を約50メートル走行する。総事業費2億1826万円は真岡市が負担した。

 真岡鉄道は88年にJR真岡線を引き継いで開業した。休日にSLを運行している。井田隆一真岡市長は「SLキューロク館を核にして『SLが走るまち』のイメージを広めたい。休日の来場客は1000人を超えてほしい」と期待を寄せる。


【2013年4月26日 日刊工業新聞社】