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メルシャン、収穫率80%に拡大−長野・上田のブドウ自家農園

 メルシャンは2013年度中に農業生産法人を通じて運営するワイン用ブドウの自家農園「マリコヴィンヤード」(長野県上田市)の収穫率を12年度の60%から75―80%に引き上げる。4―5年に育った苗木の多収穫が期待できるようになったことや、栽培技術の向上で実現する。長野、山梨、秋田、福島の4県で展開する契約農家とも取引を拡大。栽培指導によって品質向上と安定供給につなげる。将来は北海道や東北での農園運営も計画する。

 ブドウ農園の面積は約20ヘクタール。高齢化による耕作放棄地の増加で危機感を持っていた自治体と自家農園を設けたいメルシャンの利害が一致、09年にブドウの苗木の植え付けを開始した。栽培品種は赤ワイン用のメルローや白ワイン用のシャルドネ。最近は赤ワイン用のシラーやカベルネ・ソーヴィニヨンの栽培も始めた。今後は「消費者の好みの変化と気候特性に合わせ、品種を増やす」(斉藤浩シャトー・メルシャン工場長)との方針だ。

 ワインに適したブドウの品種は土地や気候条件に左右されるため、契約農家との取引も増やす。4県合計の契約農家数は200―300軒。ここ数年変動はないが「長年の付き合いを通じて信頼関係が高まっている。情報交換で栽培技術を高めているほか、世代交代も進んでいる」(同)。自家農園と契約農家をうまく活用することで、国産ワインの品質安定と風味向上につなげる。

 ワイン用ブドウは生食用ブドウよりも単価は安いが、1房ずつ化粧箱に詰める作業が要らないため、作業コストを減らせる。また、メーカーから長期・安定的に購入してもらえるため農家も安心感がある。このため、生食用ブドウ農家がワイン用に切り替える例も出ているという。


【2013年4月22日 日刊工業新聞社】