HOME > 事業を広げる > 地域資源活用チャンネル

地域資源活用チャンネル

ニュース

首都圏リポート/千葉・酒々井町にアウトレット−海外観光客も呼び込む

 千葉県中北部の酒々井(しすい)町で、19日に「酒々井プレミアム・アウトレット」がオープンする。13日に開業1周年を迎えた木更津市の「三井アウトレットパーク木更津」はこの間、客足が絶えないだけに、酒々井町の地元も活性化の起爆剤として期待を寄せる。ただ来場客を市内にどう“回遊”させるかが課題になる。(千葉・山田諒)

 酒々井プレミアム・アウトレットには120店舗が並ぶ。レディース・メンズウエアの「ヘインズ」、レディースウエアの「バンヤードストーム」、靴などの「アルフレッド・バニスター」、帽子の「ニューエラ」、かばんの「レベッカミンコフ」、チョコレートの「ピエールマルコリーニ」など8店舗が日本初出店だ。

 成田空港から東関東自動車道酒々井インターチェンジ経由でおよそ15分の好立地。国内はもとより、海外の観光客も呼び込もうと、京葉銀行の外貨両替所や成田国際空港会社の情報コーナーを設けている。

 酒々井町商工会の経営指導員を務める関篤史氏は「アウトレットは町の活性化につながる。やってきたチャンスを最大限に生かしたい。(アウトレットの)運営会社などの関係者も酒々井を支えようと考えてくれている」と期待を寄せる。酒々井プレミアム・アウトレットの南昌孝支配人は「地酒やパークゴルフ場といった知られざる地元の情報をアウトレットで発信する。これから連携戦略を練りたい」としている。ただ観光資源が乏しいだけに、来場客をどう回遊させて活性化につなげるかが課題になっている。

 この解の一つは県南部の三井アウトレットパーク木更津にある。木更津は171店舗とほぼ同じ規模。来店客を市内に回遊させるため、木更津商工会議所などで2012年4月にクーポン付きの飲食店ガイドマップ「週末木更津計画」を作成した。混雑してアウトレットのフードコートに入れなかった来店者を呼び込むのが狙い。半年後に掲載店を調査したところ、25%が来店増を実感していた。

 これに習って酒々井町商工会も「グルメマップ」を作成。町内25店を掲載した。町の情報発信ブースで配る。ただ関氏は「国道が交差しているのは1カ所のみで、ほとんどの道は細い。各店舗の駐車場もスペースが小さい」と、悩みは尽きない。酒々井町の商工観光班の岡田和憲氏も同じことを懸念する。5月のゴールデンウイークが試金石になる。

 ちばぎん総合研究所の弓野武郎経済調査部長は、アウトレット開業を受けた地元の動きを「うまく活用しようと自発的に活動しており、非常に良い傾向だ」と見る。また木更津の運営会社、三井不動産の商業施設運営事業部運営推進グループ長の大場修氏は「アウトレット同士が敵視するのではなく、お互いに知名度を向上し、地元を盛り上げたい」とする。

 アウトレットのポテンシャルをどう引き出すか。地元の自治体、商店街の関係者らが一体となり、町の魅力アップ、観光資源の発掘などが求められそうだ。


【2013年4月19日 日刊工業新聞社】