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誘客へ連携・栃木の観光戦略(下)熱気球と秋祭り手応え

 栃木県経済同友会は2月、「観光産業を感動産業に」と題したシンポジウムを開いた。板橋敏雄筆頭代表理事(板通会長)は「温泉などの資源だけで客を呼ぶのは難しい。新戦略がカギになる」と強調した。

 県同友会の国際化推進委員会は07年度からITを活用した観光案内の調査・研究を進めている。特に注目しているのが外国人向けサービスだ。「京都の観光客の7%は外国人だが栃木県の場合は0.85%。これを7%に引き上げられれば380億円の経済効果がある」と高本寛ICT研究部会長(NTTドコモ栃木支店長)は試算する。

 鷹箸(たかのはし)一成ニューツーリズム研究部会長(栃木銀行常務)は11月開催のとちぎ熱気球インターナショナルチャンピオンシップについて「栃木の観光の宝に育った」と手応えを語る。年間5戦ある熱気球ホンダグランプリのうち、2戦の開催地は栃木県だ。特に11月の大会は年間王者を決める最終戦ながら、知名度は高くなかった。県同友会は活性化に向け、会期中に音楽イベントやもちつきなどによる秋祭りを4年間実施。09年に7万人だった秋祭り来場者数は12年には11万人に増えた。

 「那須どうぶつ王国」などを運営する那須高原リゾート開発(那須町)の鈴木和也総支配人は「東日本大震災後、地域連携は加速している」と話す。12年10月に宇都宮ブリッツェンに続く県内のプロ自転車チーム「那須ブラーゼン」が発足。背景には那須地域の人々の後押しがあったという。「“ツール・ド・とちぎ”を開きたい」と鈴木総支配人は構想を語る。

 あしかがフラワーパーク(足利市)を運営する足利フラワーリゾート(同)の早川公一郎専務は「現状維持は衰退の第一歩」と力を込める。同園ではその日の花の状態に合わせて入園料を変えている。早川専務は「お客さんにとっては来た日の状況がすべて。割高だと感じたらそれ以後は来なくなる」と説明する。花が少ない冬季に客を呼び込むため02年にイルミネーションをはじめ、今冬は180万球の電飾で園内を彩った。

 「さまざまな仕掛けをしても、浸透するまで5年はかかる」と増渕正男日光地区観光協会連合会事務局長は観光産業の難しさを表現。「少子高齢化が進み、リピート客頼みでは限界がある」(同)中、積極的な外向きの戦略が求められている。


【2013年3月20日 日刊工業新聞社】