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東急電鉄と東京メトロ、あすから相互直通運転−神奈川・埼玉ともに誘客期待

 東京急行電鉄と東京メトロが16日、東急東横線と副都心線の相互直通運転を始める。これにより、横浜高速鉄道みなとみらい線から東横線、副都心線、東武東上線・西武池袋線が乗り換えなくつながり、首都圏西部に大きな輸送ルートが開かれる。観光客誘致や小売店の集客、企業誘致、鉄道会社の収益向上など運転開始に期待する各地の動きを追った。

 「2004年のみなとみらい線開業以来のチャンス」(横浜観光コンベンション・ビューロー)と期待するのは、横浜市中心部の小売りや観光をはじめとする経済界。中華街や山下公園といった観光地の商店会などが連携し、都内や埼玉県内からの誘客を見込む。横浜高速鉄道は、みなとみらい線の年間乗降者数は現在の約1・4倍の500万人を目指す。

 埼玉県側では「川越の商店街では、買い物客が横浜に流出することを懸念する声がある」(川越市産業観光部)半面、「東横線沿線から観光客を呼び込みたい」(川越市、秩父商工会議所)との思いでは一致。誘客に期待する。

 沿線に立地する大手百貨店の期待も高い。三越伊勢丹は、東京都新宿区の新宿三丁目駅に直結する伊勢丹新宿本店で埼玉県と東横線沿線の両方から集客を期待する。すでに「広域エリアで配布する新聞折り込みチラシは、従来配布していなかった(東横線沿線の)目黒区、大田区などで配布を始めた」という。

 西武百貨店の所沢店、池袋本店、渋谷店、そごう横浜店の4店が今回の接続で一本の線路上でつながるそごう・西武は、川越市とタイアップして同地の銘菓などを4店で販売。横浜の八景島シーパラダイス、池袋のサンシャイン水族館と組み、ペンギンを交換し西武百貨店池袋店とそごう横浜店で公開する。

 東京都渋谷区では観光客の増加を期待する一方で、渋谷駅が横浜や埼玉方面を訪れるための通過駅になってしまうのではと心配の声も上がっており、地元商店や商業施設は観光客を呼ぶため「特に若者を引きつけるイベントを重視している」(渋谷区観光協会)。

 企業誘致にも期待がかかる。横浜市は京浜急行電鉄とJR東日本で横浜―品川間が20分弱など都心へのアクセスの良さと、都心に比べオフィス賃料が平均して4割程度安い点、日産自動車などの誘致実績をアピール。通勤ラッシュ時の電車の混雑は、都心に向かう場合に比べ「座れなかったとしても、快適で負担は少ないはず」(経済局成長戦略推進部誘致推進課)と見る。都内や埼玉県から本社や事業所の誘致を狙う。

 東京急行電鉄は13年度の運賃収入を前年度見込みより約24億円の増収を計画し、その多くを相互直通運転効果と予想する。東京メトロも副都心線の輸送人員を現状比3割増と見込む。直通運転の利便性浸透と、埼玉、東京都心、神奈川の沿線各地の盛り上がりが誘客の成否を握っている。


【2013年3月15日 日刊工業新聞社】