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北陸リポート/「メードイン石川」快走、活性化ファンド100億円増

 石川県は2013年度に地域資源を活用した商品開発などの支援制度「いしかわ産業化資源活用推進ファンド(活性化ファンド)」を、現行より100億円増の300億円に拡充する。同様のファンドでは国内最大規模となる。石川県と県内の金融機関が積み増し、支援の原資となるファンド運用益は現在より1億円多い約3億円に増える見通し。14年度末の北陸新幹線開業(東京―金沢)まであと2年と迫る中『メードイン石川』の商品を首都圏でPRし、同県への集客力を高める。(金沢支局長・堀信一)

 活性化ファンドは08年に国が100億円、北国銀行が80億円、石川県が20億円を拠出し、200億円の基金を創設した。支援対象は食品や工芸品、衣類、観光ツアーなど広範囲にわたる。

 採択された事業には開発や販売に必要な費用が最長で3年間、助成される。また、農商工連携や医商工連携の取り組みを支援する枠もある。これまで採択されたのは367件。支援が終了した137件のうち、約9割が商品化や事業化に結びついた。

 ただ、資金は潤沢とはいえず、毎年約150件の応募に対し、3―4割しか採択されていなかった。このため県内の企業からは採択枠の拡大を求める要望が多く、今回のファンド基金の積み増しにつながった。

 活性化ファンドの支援を受けた企業からは成果も出ている。ハンドメードの時計を企画・製作するシーブレーン(金沢市、井波人哉社長、076-260-7123)は、伝統工芸品の輪島塗や山中漆器の装飾技術を腕時計の文字盤に活用。和風の女性用ファッション時計「はなもっこシリーズ」を開発した。

 13年1月には伊勢丹新宿店(東京都新宿区)、2月には山形屋鹿児島店(鹿児島市)で催事を開いた。今後は「海外市場を視野に入れた販路開拓を進める」(井波社長)方針だ。

 また各種レースを製造・販売する寺井レース(石川県川北町、井波秀俊社長、076-277-1511)は、レース編みの技術を活用した防草植栽シート「ネガ・トール」を開発。道路脇の斜面などにポリエチレンを編み込んだシートを設置し、繁殖力が強い植物「ヒメイワダレソウ」を植栽すれば「雑草の繁殖を防ぐ効果がある」(井波社長)という。道路工事会社への採用を目指す。

 石川県は新幹線開業で増加を見込む観光客やビジネス客に、地域資源を活用したこだわりの商品を売り込むため、14年度中に東京都内で「石川こだわり商品フェア」を開催する計画だ。首都圏で『メードイン石川』の魅力をPRするとともに、消費者のニーズを収集して企業の商品改良や商品開発に反映させる方針だ。


【2013年2月26日 日刊工業新聞社】