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地域資源活用チャンネル

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立ち上がる!福島の元気企業(1)福島屋会長・福島徹氏

 東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の爆発事故から間もなく2年を迎える福島県。この間、復興支援は救済から自立を促す支援に変わってきた。経済産業省と福島県が連携する『ふくしま「未来へのじまん一品づくり」プロジェクト』では、福島ブランドの再生を目指す。商品開発から首都圏などでの販路開拓までを一貫して支援し、県産品が持つ魅力をあらためてアピールするのが狙いだ。第1回は同事業のまとめ役の福島屋(東京都羽村市)の福島徹会長に現状を聞いた。

 【インタビュー/福島屋会長・福島徹氏「ブランド育成、リーダー必要」】

 ―震災後全国で被災地フェアが開かれ、販売チャンスはたくさんありました。成果は。

 「1年目は各地で応援フェアが開かれ、お祭りの様な状態だった。生産者は商品を並べるだけで場当たり的なことしかできなかった。現在はお祭りは落ち着き、販売チャンネルごとのマーケティングや商品ブランディングなど、自立に向けた支援が求められている」

 ―生産者自身にマーケティングやブランディングまでやれというのは酷です。従来は誰が担っていましたか。

 「卸・小売業だ。東京という大消費地に近いということもあり、良いものはそのままで売れた。生産者は良いものを作ることに集中できたとも言える。しかし、福島産のブランドはとてもネガティブだ。世界最高の安全基準を掲げているが、卸小売りにとって安全性の説明コストやクレームのリスクは大きい。生産者自身にマーケティングの力をつけないと自立につながらない。スキルの巧拙はともかくマーケティングの意識は全員に持ってもらいたい」

 「ただ現実には被災者は明日食べていく糧を必要としていて、継続的なマーケティングやブランドの育成には時間も労力もかかる。これを誰が負担するか。兼業か専業か。我々支援者が自社の事業として商品開発すれば、その場しのぎになってしまう。みなを引っ張るリーダーが必要だ」

 ―希望は。

 「かりんとうプロジェクトだ。23事業者が参加し、新たな名産を作ろうと、アイデアを持ち寄って商品開発している。メンバーはとても活力がある。もう一つは体験教室と組み合わせたマーケティングだ。福島屋の料理教室はわずか10―15人だが、教室で使う調味料はよく買ってもらえる。生産者がお客さんの反応を確認しながら開発でき、商品の良さをどう伝えたらいいかも分かる。被災地支援ツアーの様な形で実現できないだろうか」


【2013年2月13日 日刊工業新聞社】