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富田染工芸、川俣町を「染色」で支援−地場産絹でストール

 富田染工芸(東京都新宿区、富田篤社長、03‐3987‐0701)は、東京電力福島第一原子力発電所事故で風評被害を受ける福島県川俣町の絹を使った洋装向けのストールを展開する。伝統的な江戸更紗(さらさ)の染色技法を用い、現代人の装いに合う製品を三越伊勢丹と協力して開発する。着物産業が停滞する中で新たな販路を創出するとともに、川俣町の産業復興を支援する。

 3月6日から日本橋三越本店(東京都中央区)で販売予定だ。着物地の染色を手がける富田染工芸は新宿・落合地区に集積する区の地場産業・染色業社の一つ。洋装向け服飾小物などの新ブランド「更吉(さらきち)」を富田染工芸が立ち上げた。今回のストールはその第1弾となる製品。

 川俣町は原子力発電所事故で、一部が計画的避難区域に指定された。震災後、名産の絹産業は原子力発電所事故の風評被害を受け受注が減少したという。

 ストールの染色は、すべて熟練の職人による手作業。江戸時代から伝わる型紙を60―70枚使って染め上げる。価格は1万3000円程度からで、主に中高年層に売り込む。

 今回取り扱いを決めた三越伊勢丹は、川俣町の絹について「市場のトレンドである軽さ、やわらかさ、透明感がある」(高谷浩平バイヤー)とみる。「型紙や色彩の組み合わせが自由で、現代人が求めるデザインを表現できる」(同)と富田染工芸の技能を評価している。

 富田染工芸は、今後も更吉ブランドでアパレルを中心にさまざまな製品を展開する意向。第2弾の製品としてブラウスを試作済みで、当面の販路としては引き続き三越伊勢丹との協業を想定する。

 富田社長は「技能を後世へ伝承できれば。世界に日本の染色のすばらしさを広めたい」としている。


【2013年2月5日 日刊工業新聞社】