HOME > 事業を広げる > 地域資源活用チャンネル

地域資源活用チャンネル

ニュース

農水省、ゲノム育種を全国展開−品種改良期間を短縮

 農林水産省は2013年度から、イネなどの全遺伝子情報(ゲノム)育種技術の全国展開に向けた研究に乗り出す。暑さに強いイネの新品種を作り出すなどの品種改良作業は、自家受粉で良い性質同士をかけ合わせる現在の交配育種だとおよそ12年かかる。DNAマーカー選抜育種を使うことで20年度をめどに4年程度に短縮、農作物の新品種開発をスピードアップする。味や品質などで国産農産物の評価は高く、新品種の開発期間短縮でさらに弾みをつける。

 暑さに強く、おいしいコメの新品種を作り出す場合、従来は暑さに強い品種と食味が優れる品種をかけ合わせる方法を用いる。これだと子どもや孫の世代から狙った性質のものを選び出す作業に年数がかかるのに加え、穂が実った以降でないと受粉作業が行えないため5年以上の歳月がかかってしまう。

 これに対しDNAマーカーは有用遺伝子の場所を特定し、その部分を短期間で増やす技術なので品種開発期間を大幅短縮できる。収量や食味などの特性調査の期間を入れても4年程度でできる計算になる。イネが穂をつけた後ではなく、幼苗段階から育種ができるため水田のように実験場所を取らないのも利点。

 この方法を各県の農業試験所や民間企業などに普及させるため2月末にもコンソーシアムを公募、3月末にも決定して研究開始を目指す。新品種開発はイネが対象だが、ゆくゆくは麦や大豆、野菜、果樹などへも広げたい考え。研究件数は合計10―20件になる見通し。新品種育成期間短縮のため、作物に放射線を照射するなど有用遺伝子を効率的に発掘する技術も研究する。


【2013年2月4日 日刊工業新聞社】