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豊島など都内北部4区、集積するアニメ産業−「町おこし」の追い風に

 東京都北部の各区で地域資源のアニメ・漫画を地域活性化に活用する例が相次いでいる。豊島区は2月上旬に全国の関連自治体を集めた漫画・アニメのイベントを開く。アニメ産業が集積する練馬区では2012年度から区内企業などが区のアニメキャラクターを自社商品に使用できるようにしている。中野区や杉並区もアニメや漫画を活用した地域活性化を進めており、コンテンツを前面に打ち出し産業の活性化を目指す。(北東京・東和宏)

 豊島区内にはかつて手塚治虫氏や赤塚不二夫氏らが住んでいたアパート「トキワ荘」があった。現在でも休日にはファン30―40人がトキワ荘周辺を訪れる。また、東池袋地区には「乙女ロード」と呼ばれるアニメ愛好家が訪れる店舗が集まっている。

 同区はこうした地域資源に着目し、12年秋から漫画・アニメを使った町おこしを本格化。13年度中にトキワ荘に関係する漫画家の資料を集めた資料館を開設する。さらに、2月1―2日には、「東京マンガ・アニメカーニバル in としま」を開催。漫画やアニメを活用した街づくりに取り組む全国の15自治体がブースを出展し、地域活性化につなげるシンポジウムやワークショップを開く。

 また、アニメ関連企業と共同でコスプレイベントやアニメ上映会を行う予定だ。開催を通じて「漫画の聖地である豊島区で、漫画やアニメが街づくりにどれだけ効果があるかを検証する」(区文化観光課)考えだ。

 区内に90社以上のアニメ制作会社が集まる練馬区では、11年に区の公式アニメキャラクター「ねり丸」を制定。区内企業や団体に12年度中は無料使用を認めている。現在は雑貨や衣服、菓子など10数種類のねり丸グッズが出ており、区内産業の盛り上げに一役買っている。

 中野区でも廃校施設を活用した文化・芸術の総合拠点「中野マンガ・アートコート」を11年10月に開設。専門学校などを運営する学校法人に運営を任せ、漫画などのワークショップなどを開いている。

 アニメ制作会社が多い杉並区でも、アニメ産業を区内商店街の活性化に結びつける施策を練り直しており、区内郊外にあるアニメーションミュージアムを街中へ移転することを検討中だ。

 各区のアニメ・マンガに対する地域特性や考え方は微妙に異なるが、地域活性化につなげたいとの思いは同じ。池袋では今夏に人気漫画アニメのテーマパークが開業する。

 中規模以上のアニメ制作会社の区内移転に対して補助金を出している練馬区では11年、12年と1社ずつ中堅企業が移転し、「13年度も補助金を継続していきたい」(区アニメ産業振興係)とする。中野区でも有名アニメを手がける企業が区内に移転するなど、北部地区にはアニメ産業の集積が進んでおり、町おこしには追い風となりそうだ。


【2013年1月23日 日刊工業新聞社】