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農業、高付加価値で攻勢−アジア輸出拡大に期待

 安倍晋三政権で改めて注目される“攻めの農業”の実現。カギを握るのは海外への輸出拡大と、先端技術農業だ。東南アジアや中国など急成長する国々の需要を積極的に取り込むとともに、ITなど先端技術の活用や6次産業化で高付加価値化を目指す。(編集委員・嶋田歩)

【市場パイ拡大】

 「アジアは経済成長で市場パイが年々拡大しており、日本食への関心も高い。欧米諸国も同様で、国産農林水産物の成長ポテンシャルは非常に高いと考えている」。林芳正農林水産相はこう言って、国内農業の先行き悲観説を一蹴する。

 安倍首相は農業の強化で輸出を議論のテーマに据える方針を示している。2011年の輸出額4511億円から、20年までに1兆円に増やす計画だ。11年の輸出相手先は香港が24.6%などアジア系が73%を占める。経済成長に加え、輸送時間が短い地理的メリットを考えるとアジア向け輸出が伸びる余地はこれから先も大きい。

【事業者を支援】

 農林水産省は食品、流通団体や都道府県知事などで構成する「農林水産物等輸出促進全国協議会」を窓口に、情報提供や商談機会確保、事業者の取り組み支援を行っている。日本酒やコメ、和牛、リンゴといった主要品目ごとに、横の連携を促進。県単位の輸出でなく日本産をアピールすることで、PRや露出効果の増大を目指す。

【生産コスト厳しく】

 輸出拡大とともに、農業成長のカギを握るのが先端技術。燃油高・電力料金引き上げで国内農業の生産コストはますます厳しくなることが予想される。それをカバーするための発光ダイオード(LED)照明や省エネ栽培技術。田畑にセンサーや全地球測位システム(GPS)を駆使し、肥料や農薬使用で最適化を目指す技術もある。

 農水省は宮城県山元町に植物工場の実証研究施設を稼働。イチゴやトマトなどで株元冷却・加温で収穫時期を調節したり、紫外線で病気発生を防ぐ技術などと組み合わせて生産コストの半減や、付加価値の倍増を目指す。


【2013年1月10日 日刊工業新聞社】