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養殖マグロの幼魚、自然環境下で捕食を確認−近畿大水産研

 【東大阪】近畿大学水産研究所(和歌山県白浜町)は、自然環境下に放流した完全養殖クロマグロの幼魚「ヨコワ」が自然環境下で餌を捕食して生存できることを確認した。10月に同県串本町のいけすから1862尾を放流。自力で餌を捕食しなければ餓死するとされる期間の30日を経過した後、三重県と和歌山県の沿岸で2尾が捕獲され、各個体に付けた標識を回収した。完全養殖クロマグロを自然環境へ放流する実験は世界で初めて。

 完全養殖マグロは、人工ふ化したマグロが産んだ卵をもう一度人工的にふ化させたマグロのことで、自然界に放流して繁殖できれば資源の回復につながると期待される。一方、特定の遺伝子を持つマグロのみが繁殖して遺伝的な多様性が減少する危険性も指摘される。

 天然クロマグロの放流実験データと比較して完全養殖マグロの回遊経路や生態を解明するなど、さらに研究を重ねる必要がある。ただ、近畿大は「資金的に厳しいため単独で研究を続けるのは難しい」(宮下盛水産研究所所長)として、国や水産庁などから資金的援助を得たい考えを示した。


【2012年12月17日 日刊工業新聞社】