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検証2012/九州新幹線−好調維持、2年目快走

 博多―鹿児島を結ぶ九州の大動脈・九州新幹線が、好調を保ったまま全線開業2年目を走り抜けようとしている。JR九州がまとめた2012年4―9月期の鉄道旅客運輸収入は前年同期比4・0%減の244億円。定期外収入は同4・8%減の232億円だった。前年同期比で減らしたが、唐池恒二JR九州社長は「キャンペーンがないなかで数字は評価できる」と力を込めた。大きく数字を伸ばした1年目との比較では健闘しているとの見方だ。

 鹿児島を訪れる観光客数は、12年上期が前年同期比でプラスに推移。鹿児島県は「開業効果は長く続かないと言われる中、観光キャンペーンの効果が表れるなど健闘している」と見ている。下期は月別でプラスとマイナスが混在し、年間で大きく落ち込むことはないと予想している。

 また途中駅となる熊本も11年度と同等水準で落ち着く見通し。上期は前年同期比を上回ったが、下期は豪雨による阿蘇地域の災害や、全線開業効果の落ち着きなどで若干の減少と予想しており、全体としては横ばいとなる。

 山陽新幹線との相互直通運転で増加した近畿や中国地方からの観光客も変わらず訪れているようだ。JR九州では修学旅行の需要増に合わせて列車を1編成増やす予定で、団体客増加を見込む。一方で日中関係悪化による中国人観光客の減少は心配材料だ。

 1年目に顕著だったのが福岡―熊本間の高速バスの伸長。運賃の安さやアクセスの良さから利用者を伸ばした。同区間を運行する西日本鉄道によれば、今年も乗客数は開業1年目並みで推移。すみ分けができ始めている。当初、苦戦した博多駅からの近距離区間では改善が見られる。割引切符などが奏功し、駅利用者数は前年比で増加。大幅な割引額を設定した切符の販売などで、生活の足としての利便性が浸透しているようだ。

 九州新幹線は地域交通として定着している一方で、役割は交通手段に留まらない。九州地域の活性化では、主役であり立役者でもある。列車は良くても観光地の魅力が薄まれば客足は鈍る。逆も然りだ。地域を挙げて新鮮さを失わない施策を繰り出す必要がある。


【2012年12月13日 日刊工業新聞社】