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「イチゴ」8月も収穫−宮城県農業・園芸総合研など、生産技術を研究

 宮城県農業・園芸総合研究所は、東北大学、農業・食品産業技術総合研究機構野菜茶業研究所などと共同で、イチゴの周年生産技術の研究を始めた。高温の関係でイチゴの収穫量が落ちる夏秋期、とくに8月に収穫ができるようにし、年間を通じて安定量を調達したい洋菓子メーカーなどの要望に応える。期間は2014年度までの約3年間。宮城県は東北で一番のイチゴ産地であり、震災復興のシンボルだけでなく、他県イチゴとの差別化にしたい考えだ。

 周年生産技術は、暑い時期にイチゴの根元を冷却して涼しく保つクラウン温度制御と、養分吸収特性に応じた施肥法、間欠冷蔵処理、花房発生を制御する照明方法などがポイントになる。

 クリスマスケーキの需要もあり、春先に収穫する露地栽培の品種以外に四季成りイチゴ品種も開発されているが「イチゴは高温だと株が弱って収量が落ちるほか、果実も軟化して日持ちしないため、夏場はほとんどとれないのが実情」(宮城県農業研)という。

 一方、洋菓子業界でイチゴの需要は年間を通じて多く「とくに日本人は生食のイチゴを好むため、ショートケーキ用に新鮮なイチゴを求める声が強い」(同)という。イチゴの端境期である夏秋に収穫できれば、年間を通じて安定供給することが可能になる。

 根元を冷却するクラウン温度制御は、冬場に温水で温めるシステムを応用。冬場が加温なのに対して夏場は冷却と正反対なので、チラーを使うか井戸水を循環させるか、コストの低い方法を研究する。このほかにも照明を利用した日長制御、施肥技術などで夏秋でも冬春と同じように、イチゴを数量的にも品質的にも安定収穫できる技術を開発する。

 研究には他にカネコ種苗、東北農業研究センター、九州沖縄農業研究センター、宮城県、岡山県なども参加している。


【2012年12月4日 日刊工業新聞社】