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三重県農業研、種子からイチゴを繁殖させる技術にめど−病気感染防ぎ大量生産も

 三重県農業研究所はイチゴを従来のようにツル分かれでなく、種子から繁殖させる技術にめどをつけた。種子から増やすため親株から感染する炭疽(たんそ)病やダニなどの病害虫被害を半分以下に減らせるほか、植物工場などで大規模生産が可能になる。甘さなどの品質や生育に要する期間も、ほぼ従来と同等という。試験栽培を希望する農業法人や食品メーカー、外食企業などとともに2013年初にも研究会「種子イチゴクラブ(仮称)」の設立準備会を立ち上げ、来年9月から植え付けを始めたい考えだ。

 三重県農業研究所は農林水産省などから研究支援を受けて、種子繁殖型イチゴに取り組んできた。イチゴは甘い実のため、病害虫の被害を受けやすい。ツルが長く伸びた“ランナー”から増やす従来方法だと親株の性質や菌を受け継ぐ形になってしまうので感染割合が高くなる。一方で種子から育てる方法だと、味や品質でバラつきが生じるのが欠点。

 三重県農業研究所は従来型品種の苗からよい性質の苗を選んでかけ合わせることで種子型のF1品種を作り出すことに成功した。

 増殖効率は従来型が40倍前後なのに対して、5000倍。5月に種まきし、8月末まで育苗、9月に定植し11月には収穫できるという。「従来型のイチゴとほとんど変わらない。病気が少なく、計画生産できる長所を生かして農業参入を図る企業などへ売り込みたい」(園芸研究課の森利樹農学博士)とする。またF1品種のため、外国などでコピーで栽培されてしまう被害も防げる。


【2012年11月16日 日刊工業新聞社】