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マゴット カンパニー、ミツバチ不足に活路−温室農業で本格展開

 ジャパン マゴット カンパニー(岡山市北区、佐藤卓也社長、086-805-4455)は、糖尿病性壊疽(えそ)のマゴット治療に用いていたハエを、農業用に本格展開する。イチゴやマンゴーなどの温室農業で受粉用ミツバチの高騰・不足が言われており、代替え昆虫にハエを活用。岡山県や徳島県農家の温室実験で好結果がでており、実績をばねに農家や農業試験場、種苗メーカーなどへ売り込みを図る。「農業向けの売上高を3年後に全体の3割、5年後に5割まで引き上げたい」(佐藤社長)方針。

 同社はマゴット(医療用無菌ウジムシ)の製造・販売などを手がける。マゴット治療は壊疽が進んで切断手術が必要になった患者の手や足を、ハエの幼虫であるウジに食べさせて治療するもの。医療用のハエは完全無菌培養だが、農業用だと無菌は必ずしも必要でないため、培養コストを節約できる。岡山県や徳島県内のイチゴ、マンゴー農家で行った実験ではミツバチと違って人を刺さないほか、ハチより受粉の動きがやさしいため形の良いイチゴができるなどの好結果が得られたという。マンゴー農家では温室に1万7000匹のハエを投入し、1カ月半で7000個の実がなるなどの効果が得られた。これを機に全国展開を図る。

 希望農家へはハエを、サナギの状態で納入。開花時期に合わせて投入でき、数量についても柔軟調節できる。イチゴ以外の野菜についても受粉効果を確認中で、ハチより受粉率が高い作物、ハチの活動が鈍る高温期や曇りの日などに“助っ人”として使うなど、活用法を農家に提案していく。

 ミツバチの高騰・不足が言われる中で、コストもハチとほぼ同等とし、11月14日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開く「アグリビジネス創出フェア」でもハエを使った受粉技術を紹介する。


【2012年10月31日 日刊工業新聞社】