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琉球大、省電力型の次世代植物工場で実証実験−独自開発の光ダクト採用

 琉球大学は省電力型の次世代植物工場の実証実験に乗り出す。沖縄県中城村にある、蛍光灯を用いた植物工場の栽培室の隣に、発光ダイオード(LED)を用いた栽培室と、LED・光ダクトを用いた栽培室を2013年3月までに新設する。屋根部分にサトウキビのバガス材を敷設し冷房代を減らすとともに、太陽光や風力発電設備も併用してエネルギー自給を図り「限りなく電気代をゼロに近づけ、台風停電など災害にも強い」(近藤義和教授)植物工場を目指す。

 14―15年度の2カ年で効果を実証し、効果があると判断できれば、亜熱帯や熱帯の東南アジア、アフリカ、中東地域にも展開する計画だ。

 実証型栽培施設の面積は約200平方メートル。蛍光灯を用いた現工場は月間消費電力が1万キロ―1万2000キロワット時で電気代が月25万円もかかる。近藤教授は「人件費や設備代を引くと、利益はとても出ない」と話す。

 電気代を下げるためLEDを使うとともに、植物の生育を促す赤色や青色の波長の光を強めるため、独自開発の光ダクトを採用。このほかにも壁材の色を赤や青にしたり、屋根にカラーフィルターを取り付けるなどで植物が赤色・青色の光を取り入れて十分育つように工夫する。

屋根部分には沖縄名物のサトウキビのしぼりかすであるバガス材を敷設。バガスには微細な孔が多数あいており、ここで南国の太陽光を効率的に吸収し熱変換するとともに、熱交換器で冷房に使用。電力コストを引き下げる。「春と秋なら冷房代はほぼまかなえる。曇りの日や夜間の電力は太陽光発電など再生エネ電力を使う」という。

 本土と違い、沖縄は亜熱帯気候でレタスなどの高原野菜がとれないため、夏場に出荷をすれば差別化できる。東南アジアやアフリカも同様の条件のため、成果を見てこれらの地域にも設備を輸出したい考えだ。


【2012年10月24日 日刊工業新聞社】