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西日本技術開発、中国・江蘇省で水質浄化と上海ガニ養殖の実験

 【福岡】西日本技術開発(福岡市中央区、村島正康社長、092-781-2831)は、九州大学や中国の上海交通大学などと共同で水質改善と水産物養殖を一体化したシステムの実証実験を10月に始める。中国の江蘇省蘇州市にある湖で、上海ガニを養殖、水質の変化とカニの成長を調査する。地元の養殖業者も参加して持続可能な産業の育成にもつなげる。

 システムは湖に流れ込む過剰な栄養分やリン、窒素などを、それらで育つ水草や水生生物を投入して減らすのが目的。富栄養化を抑えてアオコの大量発生を防ぐ。建設コンサルタントの西日本技術開発や九州大学工学部、同大東アジア環境研究機構などは2009年に関連研究に着手、実用に適した水草の選定など準備を進めてきた。

 実験は水草が付きやすいようにブラシ状に加工した縄を付けた大きさ2×1メートルの浮体を使用する。浮体で囲んだ20×10メートルの中で上海ガニを養殖して成長過程と水質の相関などを調べる。投入する水草や貝類は周辺に従来生息する品種とすることで生態系への影響を最小限にとどめる。また水草の量は水質に合わせて増減する柔軟なシステムとする。実験は14年まで実施する。

 上海ガニは水草と食物連鎖で周辺に住み着く貝類を食べる。それらをバランス良く食べたカニは養殖用の餌のみで育てた物よりも品質が高くなるという。

 領土問題で日中関係が冷え込んでいるが、「日中の研究者や中国の漁業者は両国の良さを尊重して協力を継続している」(井芹寧西日本技術開発環境部部長代理)という。


【2012年10月1日 日刊工業新聞社】