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高知高専など、マイクロバブル発生器の1次産業利用で効果−農業用途で4割節水

 高知工業高等専門学校の産学官連携グループは、独自開発のマイクロバブル(微細気泡)発生器の1次産業利用で効果を確認した。農業用途ではマイクロバブル発生の水をショウガの洗浄に使い、4割の節水効果を得た。水産業用途では養殖カンパチを狭い場所に集める時の水槽水に使うと、酸欠につながる溶存酸素量の減少を半分に抑えられた。装置は耐久性があり安価に利用できるため、2013年度内の実用化を目指す。

 このプロジェクトは高知工業高専の秦隆志准教授らの研究者やコーディネーターが中心となり、坂本技研(高知県南国市)とマイクロバブル発生装置を開発。農業用途で高知春野農業協同組合(高知市)、水産業用途で宝照水産(高知県宿毛市)と取り組み、評価の高知県工業技術センターが参加。高知県産学官連携産業創出研究推進事業で取り組んだ。

 同グループのマイクロバブル発生器は一般的な装置と比べ、発生する気泡の8割が直径約1マイクロメートル(マイクロは100万分の1)以下という微細化が特徴だ。気液混合個所や導入気体路を工夫している。小石や砂利が混入しても問題ないため、高知県で重要な1次産業で活用を試みた。

 農業用では高知県の全国出荷高がシェア約4割で全国1位のショウガ洗浄に活用した。通常の噴射型の高水圧洗浄機だけでは多量の水を使うが、同洗浄機にマイクロバブル発生器を組み合わせたところ、4割の節水効果が得られた。理由は検証中だが、洗浄中に水と気泡が間欠的に当たる圧力変動や、気泡がショウガ表面に当たって割れる時の衝撃波が効いたとみている。

 水産業用では、寄生虫除去作業で養殖魚を1カ所に集めた時に、酸欠状態で死ぬなどの問題を起こすため、マイクロバブルで酸素を多く含む水を利用した。養殖カンパチ3000匹を囲い込む実験では、水中の溶存酸素量の減少が、気泡発生器を使うと約半分に抑えられた。


【2012年9月28日 日刊工業新聞社】